(英エコノミスト誌 2013年8月17日号) 世界経済が勢いづいている。しかし、この勢いが今後も持続しそうなのは米国だけだ。 8月の盛夏はしばしば世界経済に問題をもたらしてきた。 2011年、米国の政治家はデフォルト(債務不履行)にぎりぎりまで近づき、ユーロは崩壊へと向かっているように見えた。2012年夏、ユーロ不安が再び到来し、多くの新興国が行き詰まっている憂鬱な証拠が明らかになった。 しかし、2013年は今のところ、良いニュースが悪いニュースを凌駕している。 ユーロ圏の経済は1年半にわたる景気後退から抜け出し、再び成長に転じている。第2四半期の国内総生産(GDP)成長率は年率換算で1.1%だった。英国の回復は加速している。米国の第2四半期の成長率も当初予想の1.7%を上回り、その後も加速しているという証拠が積み重なっている。堅調な小売売り上げ、製造業の受注増、失業保険の申請数の減少など