筆頭株主の財団の理事長である創業者が猛反対。TOB(株式公開買い付け)期間を延長、その結果として定時株主総会をTOB期間中に開催。議題とは関係のないTOBの是非について質問が集中――そんな珍しい事件が、浜松の老舗電子楽器メーカー、ローランドで起きた。 ローランドの三木純一社長(59)は、米投資ファンドであるタイヨウ・ファンドのブライアン・ヘイウッドCEO(47)と組んで、MBO(マネジメントバイアウト、経営者による買収)を宣言。5月14日からローランド株のTOBを始めた。TOB価格は1株1875円。当初は6月25日が最終日だったが、7月14日に延長している。 ローランドの創業者は梯郁太郎氏(84)。電子楽器の世界共通規格「MIDI」の制定を主導した功績で、2013年にテクニカル・グラミー賞を受賞したレジェンド(伝説の人物)である。 財団とはローランド芸術文化振興財団のこと。上場時に安定株主