サブプライム問題による市場の混乱や金融機関の破綻でクローズアップされたのが、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)取引におけるカウンターパーティ(取引相手)リスクだ。 CDSは「信用リスク」を取引するもので、主に、保有債権の信用リスクをヘッジする手段として広く使われている。信用リスクとは、融資先や社債の発行体が債務不履行に陥るリスクを指す。 下図は企業Aに対して銀行が10億円の融資をしており、その債権に対するリスクヘッジとしてCDS取引を行うケースを示したもの。銀行は企業Aが支払い不能に陥った場合に備え、CDSの取引相手が代わりに元本を返済する保証契約を結び、対価として保証料(プレミアム)を支払う。こうした行為を「プロテクションの買い」といい、保証する側は「プロテクションの売り」となる。企業Aを「参照企業」と呼ぶ。 実際に企業Aが倒産や支払い不能に陥るなど、参照企業でクレジット・