(英エコノミスト誌 2014年2月1日号) 中南米で最も弱い経済国2カ国が限界に達しようとしている。 ユーロ危機の真っ最中、経済が不振な欧州諸国は判で押したように、自分たちはギリシャのような特殊例ではないと主張した。自国の苦悩がどのようなものであれ、ギリシャの苦悩は別格だと断言していた。一方、中南米には、特殊例というこの不名誉な称号を争う国が2つある。アルゼンチンとベネズエラだ。 両国とも、長年にわたり羽振りがよかった。またとないコモディティーブーム(ベネズエラは石油、アルゼンチンは大豆)で得た利益を気前よく使ってきたのだ。両国とも、実態に比べて高すぎる為替レートが下落するのを防ぎ、インフレの昂進を防ぐため、中央銀行による介入と政府による通貨統制を行ってきた。そして両国は今、当然の報いに直面している。 高インフレと過大評価された通貨 高インフレ率は両国共通の問題だ。アルゼンチンのインフレ率