廃炉に向けた作業が行われている東京電力福島第一原発で、行き場の決まらない廃棄物がたまり続けている。4年前の原発事故から今年1月末までに発生したのは、放射性物質で汚染されたがれきと伐採木など計25万8300立方メートル。25メートルプールにすると約650杯になる量だ。 東電によると、原子炉建屋周辺に散らばったがれきや工事の廃材、使用済みの防護服などが17万8600立方メートルある。汚染水タンク置き場をつくるために切った木は7万9700立方メートル、汚染水から放射性物質を除去した吸着体も1846本ある。 これらは汚染の程度に応じて処分する必要があるが、事故の爆発で放射性物質が敷地内外に放出された福島第一では、廃棄物がどれほど汚染されたか、すぐにはわからない。「捨てるには、放射性物質をすべて分析し、リスク評価しなければならない」と、作業を進める日本原子力研究開発機構・福島研究開発部門の宮本泰明・