ディアベイル・ジョーダン、サイモン・ジャック、ビジネス記者、BBCニュース 2019年12月、ある寒い日の午後10時半、世界的な自動車会社の巨人は箱の中に横たわり、日本から逃げるための飛行機が飛び立つのを待っていた。 かつて日産自動車と仏ルノーを率いていたカルロス・ゴーン被告はBBCの独占取材で、「飛行機は午後11時に出発する予定だった」と話した。 「機内の箱の中で離陸を待った30分間が、人生で最も長く感じた待ち時間だったかもしれない」 今回の取材でゴーン被告は初めて、この逃亡劇について詳細を語った。 どのようにして東京の街を気付かれずにすり抜けたのか、なぜ大きな音楽機材の箱が選ばれたのか、そして故郷レバノンにたどり着いた時の高揚感はどのようなものだったのか。 「やっとこの話ができることに興奮している」とゴーン被告は語った。 ゴーン被告は2018年11月、金融商品取引法違反の容疑で最初の逮