日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題について、日本科学史学会会長の木本忠昭・東工大名誉教授は戦前の学問弾圧と重ねつつ、「新しい形態の学問弾圧事件だ」と憂える。政府によって特定の研究者が排除された今回の一件は何を意味しているのか。過去の歴史をひもといてもらった。【岩崎歩/科学環境部】 国の最高機関が事実をないがしろに ――科学史の専門家として一番危惧していることは何でしょうか。 ◆現状が立憲民主主義の観点から異常な事態であるのに、必ずしも多くの人たちがそう捉えていないことが私は不思議で仕方ありません。菅首相は「総合的、俯瞰(ふかん)的に判断した」と言いながら、6人の名前が入った名簿は見ていないとしています。「多様性の観点から判断した」と言いながら、6人を外したことで逆に多様性を狭めています。国会でも矛盾したことが繰り返し述べられ、それがまかり通ってしまう怖さを
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