<解説> 4月の消費者物価指数で、原料を輸入に頼る食品や光熱費など生活必需品の値上がりが鮮明となった。新型コロナウイルスやウクライナ情勢による原油や小麦粉などの高騰に加え、3月から4月にかけて急激に進んだ円安が価格を押し上げた。 消費者への販売価格を決める基になる国内企業の輸入物価指数(日銀集計)によると、円安の進行によって、ドルを中心にした契約通貨ベースの額を円換算にした数字は上昇を続けている。1〜3月は前年同月に比べて円換算の価格は約33%上昇だったが、4月の速報値では約50%に膨らんだ。米国などが利上げに進む中で金利を低く抑えている日銀の金融政策が主因だ。 表面上は、日銀が掲げる「2%の物価目標」に、異次元の金融緩和10年目にして届いた。だが、日銀は緩和策を続ける見通し。今の物価上昇は一時的な円安や資源の供給不足が要因で、賃金上昇を伴い消費が活発となる景気の好循環からは程遠いと見てい