足かけ9年にわたって刊行された、ライトノベル『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(小学館ガガガ文庫)が、昨年11月に完結した。短編集を含め、全17冊。物語の舞台は、作者の出身地である千葉市だ。 累計発行部数は1千万部を超え、『このライトノベルがすごい!』(宝島社)では3年連続で作品部門1位を獲得。史上初の殿堂入りを果たすなど、2010年代のラノベ作品を代表するマスターピースとして、『俺ガイル』の愛称を持つ本作は、ライトノベルの歴史に刻まれた。 2013年にテレビアニメ第1期が放送され、2020年開始予定の第3期では、終章が描かれる。長年、アニメを楽しみにしていた視聴者にとっても一区切り。では、作者の渡航(わたり・わたる)は、どのような気持ちで原作やアニメの終わりと向き合っているのだろうか。 2009年、就職活動に苦しむ渡は、「ラノベ作家なら、なれるんじゃないか?」という理由で、妖怪