埼玉県熊谷市で07年8月16日に記録した国内観測史上最高気温40.9度が起きた仕組みを、筑波大の高根雄也大学院生と日下博幸准教授のチームが解明した。従来指摘されてきたフェーン現象に加え、地表の熱で周辺の空気が猛烈に暖められたことが主因だった。米気象学会誌(電子版)に発表した。 【熊谷も富士山も】写真で見る「日本一」 ◇筑波大チームが解明 チームが当日の気象条件を調べたところ、熊谷市に空気を吹き下ろした山岳地帯の上空1500メートルの気温は21.6度だった。乾燥した空気が100メートル下がるごとに1度ずつ上昇するか、湿った空気が雨を降らせた後の乾燥で気温を上昇させるという従来の2種類のフェーン現象では、今回の40.9度まで届かなかった。 そこで、スーパーコンピューターで当時の気流を再現。その結果、熊谷市に流れ込んだ空気の塊の約6割が標高1000メートル以下の地表の熱を吸収したものであ