◇中途失聴者向け多く、生まれつきのろう者困惑 東日本大震災発生から2日後の昨年3月13日、政府の記者会見に手話通訳がつくようになったが、実際には「分かりにくい」と困惑したろう者が少なくなかった。会見では熟練した手話通訳者が手を使って通訳をしたが、生まれつき耳が聞こえない人たちが通常使っている手話の手法とはそもそも異なる点が多いからだ。緊急時、耳の不自由な人たちに正確な情報を伝えるにはさまざまな課題がある。【榊真理子】 震災直後の混乱時、情報が得られず苦しむろう者たちは多く、ツイッターなどでは支援と改善を求める声が多数上がっていた。そんな状況を受け、同13日午後3時27分の枝野幸男官房長官(当時)の記者会見から、手話通訳が登場した。だが、多数のろう者たちの悩みは解消されなかった。 「生まれた時は耳が聞こえ、成長してから聴覚を失った人や手話通訳者は、会話で使ってきた日本語をベースとして手話を学
すでに各メディアで流されたから御存知の方も多いだろうが、一月十七日、私の小説が芥川賞に決まった日の夜、東京でバカな記者会見をした。女優の言葉を引用し、自分がもらって当然と言い、さらに石原慎太郎都知事に言及した。その後のさまざまな報道のされ方の中には、事実と違う部分がかなりある。終わったこととはいうものの、私の知っている範囲の事情を、どうしても書いておきたい。 まず、十七日の会見の段階で私は、石原氏が六日に行った、今度の芥川賞候補作はバカみたい、という発言を全く知らなかった。正確な内容を知ったのは十八日になってからだ。次に、会見内での、もらって当然、都知事と都民のためにもらっといてやる、という言い方は、はっきり言うと最終候補になるずっと前から、もしその時が来たら言ってやろうと準備していたものだった。だから、六日の都知事の発言に田中がかみついた、というのはメディアが勝手に作った図式だ。 もう一
ジョブズ氏が好きだったすしを握る高橋一郎さん。カウンターの一番奥が1人で来た時の定位置だった=米カリフォルニア州パロアルトの陣匠で、堀山明子撮影 米アップルの共同創業者、故スティーブ・ジョブズ氏(5日死去、享年56)が死期を予感し、ごく親しい友人を招いて“お別れ会”を繰り返したすし屋が米カリフォルニア州シリコンバレーのスタンフォード大近くにある。2人のすし職人、金子典民さん(46)と高橋一郎さん(39)が共同経営する「陣匠(じんしょう)だ。高橋さんが取材に応じ「決して泣き言を言わない人だった」と病と闘う姿を語った。すし職人が見たジョブズ氏とは。【パロアルト(米カリフォルニア州)で堀山明子】 「この巻物のトロ、何時にたたいた?」 08年夏のランチタイム。1人でふらりと来てカウンターに座った男性客は、やたらと質問が多かった。「このサバはどこから来たの?」「冷蔵庫の魚は、カウンターのと同じもの?
【温州(中国浙江省)隅俊之】中国浙江省温州市で23日に起きた高速鉄道事故で、中国当局が事故車両を埋めたり、事故から1日半で運転を再開したりしたことに大惨事の「幕引き」を急ごうとしているとの反発が中国国内で強まっている。救助活動が打ち切られた後の24日夕、車両から2歳の女児が見つかったことにも「救助活動の打ち切りが早過ぎた」との批判が出ている。 中国メディアによると、中国当局は24日朝の時点で「車両内からの生命反応はない」と発表。生存者がいる可能性は低いとして大規模な救助活動を打ち切り、重機を使った車両の撤去作業に重点が移された。だが24日夕、追突されて高架橋にとどまっていた列車の最後尾車両で、救助隊員が車体を解体しながら遺体を収容した際、わずかに動く女児の手を見つけ、事故発生から約20時間ぶりに救出したという。 新華社電によると、事故の死者は25日夜までに40人に達した。中国当局が早期の事
安田孝志・岐阜大教授(海岸工学)の研究グループが、24時間前にゲリラ豪雨を予測できる手法を編み出した。複数の予報の平均値を取る「アンサンブル予報」で精度を高めるのが特徴で、安田教授は「温暖化の影響で局地的な集中豪雨は今後増える。事前に情報提供できれば、避難などに活用して被害を軽減できる」と語る。4人死亡、2人行方不明の岐阜豪雨から15日で1年。豪雨対策の助っ人として期待される。 アンサンブル予報は、気温や気圧などの観測データを基に、雲の発生量や降水量をコンピューターで数値化する際、複数の計算方式による予測結果の平均値を用いて誤差を減らす手法。気象庁も中長期予報では利用しているが、膨大な計算を素早く処理する必要があり短期予報では使っていない。岐阜大では県内などにエリアを限ったことで可能になった。 安田教授らは、岐阜県東部の可児市や八百津町などを襲った昨年7月の豪雨の24時間前の気象データを使
自転車と歩行者の交通事故がここ10年急増する中、子供と高齢者の自転車同士の衝突でトラブルになるケースも出始めた。大阪市のパート勤務の女性(50)は、当時11歳だった長男が自転車で走行中、高齢者の自転車とぶつかり相手を骨折させる事故を経験した。長男は保険に未加入で、右側通行の交通違反を指摘され、計約80万円の賠償金を支払った。女性は「子供が事故の加害者になるとは思いも寄らなかった」と話し、「自転車利用者はもっと交通ルールを知る必要がある」と訴えた。 女性は00年10月のある日の夕方、長男、長女と3人で、大阪市天王寺区の道路の右側歩道をそれぞれ自転車に乗って走っていた。先頭の長男は前にいた歩行者と駐車中の軽ワゴン車を避けようと車道に出て、対向してきた当時68歳の女性の自転車と衝突。高齢女性は自分の自転車に取り付けていた傘を差す器具で胸を打ち、骨にひびが入って入院した。 小学生の長男が自転車で人
宮城県松島町のマリンピア松島水族館で、空き瓶の中で成長したアサリ2匹が人気を集めている。稚貝の時に瓶に入り、外に出られないほど大きく育ったとみられ、1月に同県女川町の漁師、木村和宏さん(32)が地元の海で発見。水族館によると、アサリが瓶の中でこれほど成長した例は聞いたことがないという。 アサリは生後3~4年とみられ、大きさは約5センチと約3センチ。瓶の口の直径は1.7センチのため、出入りできない。瓶が砂に埋まらず、餌を吸い込んだり海水を出す水管を外まで伸ばせたため成長できたらしい。相談を受けた松島水族館が3月から展示中。「一生出られないのは可哀そう」として、瓶を割って放流するつもりだという。【垂水友里香】
三重県桑名市の鋼(こう)構造物設備会社が、台風が進む海域に潜水艦を出動させ、海中の低温水をくみ上げて海面水温を下げることで勢力を弱める構想をまとめ、このほど日本とインドで特許を取得した。海面水温が高いと台風の勢力が維持されることに着目して考え出したという。 この会社は伊勢工業で、06年1月に日本と米国、インドの3カ国で申請、今年7月に日本とインドで認められ、近く米国でも認められる見通しという。 特許は「海水温低下装置」という名称で、潜水艦の両側に長さ20メートル、直径70センチのポンプ付き送水管を8本取り付けたうえで、水深30メートルから低温の海水を海面にくみ上げる仕組みだ。 発案者である同社の北村皓一社長(84)によると、潜水艦1隻当たりの送水能力は毎分480トン。潜水艦20隻を台風の進路に配備すると、1時間で周辺海域5万7600平方メートルで水温を3度程度下げられ、台風の勢力を弱められ
6月26日からソフトバンクモバイル向け端末として日本でも発売されたiPhone 3GS。処理スピードの向上やカットアンドペーストなどの新機能については多数紹介されているが、開発元のアップル社は「誰にでも使いやすい」アクセシビリティにも力を入れたとアピールしている。 具体的には、弱視者や細かな文字が見えにくい高齢者などにとって使いやすいように考慮された「黒地に白」(白黒反転)=写真1=とズーム機能がまず挙げられる。実際には、障害の状況は多種多様であり、すべての人に満足のいくものとは思えないが、大きな一歩となるかもしれない。 ◇「ズーム機能」と「黒地に白」 Mac OS Xなどではおなじみの画面を拡大することができるズーム機能。一度に見える範囲は狭まるが、細かな文字も大きく見やすくなる。しかし、拡大率は固定で、残念なことに後述のVoiceOver機能とは共存できない。 iPhoneの機能設定画
船外活動の模擬体験の様子。本物の訓練施設で本格的な作業を体験できる=茨城県つくば市の宇宙航空研究開発機構で2009年2月16日、石塚孝志撮影 宇宙飛行士が使う本物の訓練施設を利用して、国際宇宙ステーション(ISS)での船外活動などの訓練を体験できるサービスが、茨城県つくば市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターで始まった。施設は、今月末に宇宙へ飛び立つ予定の若田光一宇宙飛行士(45)ら日本人宇宙飛行士が実際の訓練に使った場所で、本格的な宇宙体験を味わえそうだ。 体験訓練は4種類。船外活動訓練では、白い宇宙服とヘルメットを着用する。ISSの日本実験棟「きぼう」の船外実験施設の実物大模型を使い、宇宙飛行士役と管制官役に分かれ、無線通信で協力して断熱カバーの取り外しを体験する。 このほか、ISSの閉鎖的な空間を再現した設備内での共同作業や、空気漏れなど緊急事態を乗り切る訓練がある。ま
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