地下鉄と私鉄、JRの相互乗り入れが広がる首都圏の鉄道で、頻発している列車の遅れを最小限に食い止めるため、鉄道各社や国土交通省が本格的な対策に取り組む。 途中駅で折り返し運転するための引き込み線の整備や、鉄道会社間の情報共有や乗客への情報提供の改善を図るソフト面の対策が柱となる。国交省は、2010年度予算の概算要求に、調査費や駅の改良費補助を計上し、鉄道会社の投資を促す考えだ。 東京近郊の相互乗り入れ路線の総延長は、1990年の535キロから08年には1・7倍の922キロに拡大した。一方で、関東地方の鉄道の30分以上の遅延・運休件数も、96年度の751件から07年度は928件に増えた。相互乗り入れで、乗り換えの煩わしさが減る半面、長い路線の一部で列車が止まると、遠く離れた別の列車まで玉突き的に遅れる「アキレスけん」も抱えることになった。 例えば、東京メトロを経由し、埼玉県久喜市―神奈川県大和