製薬世界最大手の米ファイザーが1月22日、新たなリストラ計画を発表した。全世界の従業員の1割に当たる約1万人を2008年末までに削減する。相次ぐ大型M&A(企業の合併・買収)で業容を急拡大し、世界の製薬業界の再編をリードしてきたファイザー。そんな同社の経営転換は、規模で大きく劣る日本の製薬会社に衝撃を与える。 主力薬の特許切れ補完できず ファイザーがリストラへ経営の舵を大きく切ったことは、同業他社が追随してきた勝利の方程式「ファイザーモデル」の破綻を意味する。 そのモデルとは糖尿病や高血圧症、高脂血症といった患者が多く需要の大きい生活習慣病の薬を、膨大な費用や人員を投入して売上高1000億円を超える「ブロックバスター」に育て上げるというもの。そのために必要となる巨額の研究開発費や販促費、人員を賄うためにファイザーはM&Aを繰り返してきた。そして、ほかの製薬大手も同様にM&Aによる規模の拡大