ネットフリックス配信ドラマ「全裸監督」が話題を呼んでいる。 この作品は第二次世界大戦から3年後、1948年に福島県いわき市に生まれ、百科事典を売るセールスマン等からいわゆる「ビニ本」の製作販売を経てAV監督となる村西とおる監督の半生を描いたドラマである。 前科7犯、借金50億円と言った浮き沈みの激しい村西の人生は敗戦から高度経済成長期、バブルとその崩壊といった日本の戦後とも重なり合いながら、「親子」「夫婦」「愛人」「敵」「仲間」といった人間関係を交差させながら一話一話が展開していく。 「負け組」としての村西とおる このドラマの中で主人公の村西とおるは「負け組」から出発し、AV業界というマイナー職種の中で、さらにマイノリティとして存在する。 無理なノルマを押し付け、できなければクビと迫る上司、既得権益化した業界と圧力に屈することに慣れている市場の末端店主、裏社会と警察の癒着等が生み出す「理不