社員ではなく“職人”を育てたいと思った ―― 堀川さんは、そもそもなぜアニメスタジオを作ろうと思ったのでしょうか。 堀川 アニメーションを作り続けたいからです。まっとうに作り続けるための理想の環境を作りたかった。それでまず制作工程の中でも、作画を担当するアニメーターを育てたいと思ったんです。歳をとっても、鉛筆一本で食べていけるような職人を育てたいなと。そんなふうに考えるようになったのは、僕が1990年からアニメーション業界に制作として携わってきて、大好きなアニメーションを制作し続けていくためには、強い現場を作らなければならないと思うようになったからです。そのためには、彼らアニメーターの育成が優先課題だと。 ―― アニメーターを育てるのが一番大変だということですか。 堀川 僕はそう思っています。アニメーションの中核をなすセクションなのに、育成のための効率的なカリキュラムが業界にはありません。