寺田私がマーケティングコミュニケーション部に着任した9年前は、インターネット広告が今ほど普及しておらず、まだテレビのマス広告が中心でした。しかし、この時すでに、「テレビCMを大量に流してもお客さまに伝わりにくくなった」と感じていました。情報があふれすぎていて、お客さまが企業の発信に関心を失っていたのです。 対策を考えるなか、2011年に渋谷のセンター街で「マウントレーニア」(チルドコーヒー)のフラッシュモブイベントをしたときに起きた、ある出来事にすごく手応えを感じました。 イベントのシャツを来てセンター街を歩いていたら、若者に「何をやっているのか」と声をかけられました。そこで商品やイベントについて1分ぐらい説明すると、「それってうまいんですか?」と聞くのでおすすめしたら、その若者は「それなら今度飲んでみようかな」と去っていったんです。直接話をすることで、人の心が変わった、伝わったことを実感