10月のブログで雨宮処凛さんが書いてくださった『母よ!殺すな』の書評のことをとり上げさせていただいた。雨宮さんと、ビッグイシュー日本版編集部にお願いして、全文公開をお許しいただくことが出来た。すでに立岩真也さんの生存学のHPでもアップされているが、以下全文である。 「殺される側」からの叫び 雨宮処凛 最近、ずーっと読みたかった本をやっと手に入れ、読んだ。それは1975年に出版された『母よ!殺すな』。07年に生活書院から復刊された同書は、脳性マヒの横塚晃一氏によって書かれたものだ。横塚氏は78年に42歳でガンのため亡くなっている。 母よ、殺すな。ドキッとするタイトルだ。一体、母が誰を殺すというのだろう。この言葉の背景には、ある事件があった。70年、2人の重度の脳性マヒの子どもを抱えた母親が、2歳の下の子を殺してしまったのだ。母親は脳性マヒの子どもに対し、「この子はなおらない。こんな姿で生き