・人間集団における人望の研究―二人以上の部下を持つ人のために 俗に「人望がある」とか「人徳がある」というが、俗にではなくて厳密にそれってどういうことなのか、明解な答えを学べる本。「空気の研究」山本七平による昭和に書かれた名著。 その答えとはすなわち次の「九徳」を備えているタイプだという。 寛にして栗 寛大だが、締まりがある 柔にして立 柔和だが、事が処理できる 愿にして恭 まじめだが、ていねいで、つっけんどんでない 乱にして敬 事を収める能力があるが慎み深い 擾にして毅 おとなしいが内が強い 直にして温 正直、率直だが温和 簡にして廉 大まかだが、しっかりしている 剛にして塞 剛健だが内も充実 彊にして義 強勇だが義しい 9つの徳は朱子学の入門書『近思録』よりきている(この本は戦前は広く読まれたものであったらしい。)。これらの徳にすべて欠ける(寛大でなくて、締りがないのような状態)と十八不