入社後2、3年の若手社員が会社を辞める時に、「電通を辞めました」だとか「博報堂を辞めました」などとブログに書いて話題になることがある。そういうものを目にするたびに感じるのが、この時代の節目に30代を迎えているという自分自身の宙ぶらりんさ加減である。別に会社の管理職でもないので「会社に対して失礼だ」などとは思わないのだが、その論調を素直に応援しようという気にもなれない。せいぜい無関心を装うのが、関の山だ。 そんな昨今の風潮から考えると、本書もいわゆる「〇〇辞めました」という文脈の中に位置づけられるものかもしれない。しかし、少しばかりモノが違うのが、その決断が10年以上会社を勤めあげた30代の人間によるものであったということ、そして、その顔と名前を皆に知られている全国区のアナウンサーによるものだったということである。 あらかじめお断りしておくが、著者の菊間 千乃さんとは古くからの友人である。本
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