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ブックマーク / honz.jp (364)

  • OCEAN LIFE 図鑑 海の生物 - HONZ

    今、あんまり海に行けなくないですか?家にすごく近くない限り。行ったとしても、行ったとか言えないですよね、なかなか、多分。だってこういうご時世ですしね。 海。 海いいですよね。 海。 私も、海の良さを知ったのはここ数年です。出身が神奈川県藤沢市なんで、ばりばり海っぽいじゃんて思われがちなんですが、違う。藤沢市は南北に長い。南は海と街があり、北は田んぼと畑と工場しかない。そして、私が中学まで過ごした地域は、北部の中でもすごい僻地でした。そこは海から遠く、歩くと5時間かかりました。 海はもともと距離的にも心理的にも遠い、強いて言えば「なんか生臭いところ」で、たまに行っても楽しみ方がわからない場所でした。 でも、私は今、海が好きです。 きっかけは、磯遊びでした。生きもの好きの友人ができ、磯に行って遊んだのです。 磯の良さは、磯に座り込んでやっとわかりました。座ってしばらくぼーっとしてると、じわじわ

    OCEAN LIFE 図鑑 海の生物 - HONZ
  • 『スモール・スタート あえて小さく始めよう』会社員のうちに始めよう - HONZ

    新しいことを始めたい、だけどなかなか始められない。そう思っている人のやらない理由を、一つずつ消していってくれる一冊だ。 著者の水代優さんは、日橋浜町にHama Houseというブックカフェを作ったり、最近では丸の内にMarunouchi Happ.stand&galleryというPOP UP GALLERYを作った人物だ。とはいっても、何をやっている人なのか一言で説明するのがなかなか難しい。当に先鋭的なアクションというのは言葉で説明されても理解しづらいが、その場を訪れ直接体験してみるとなるほどと思うことが多いものだ。 しかしそんな水代さんの第一歩も、出来上がったものからは想像できないくらい小さなことから始まった。書は、それを実現するための思考回路が余すところなく収められた一冊である。時代からくる必然性、動き出すことに対するリスクの勘案、続けるためのノウハウ等、読み手の「でもさ〜」とい

    『スモール・スタート あえて小さく始めよう』会社員のうちに始めよう - HONZ
  • 『3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ』3歳までの言語環境に、3つのTで - HONZ

    育児には神話がある。また、周囲の友人や口コミサイトからの情報に溺れ、真偽を判断する余裕もない。情報に溺れることなく、なるべく子どもと過ごす時間を増やしたいのだが、子どものためにやるべきことは尽きない。ギリギリまで手抜きしてズボラに育児がしたいが、それで、ちゃんと育児やっているんだろうか、できていると思えるのだろうか、悩む。 そんなふうに自分もなるんだろうなと、悲観的なシナリオを子どもの誕生前に考えていた。そんなときに原書『Thirty Million Words』を発見した。私の育児はこのに書かれた科学と実践によって、楽しむことができ、シナリオ通りに育児は大変だが、のらりくらりと乗り越えることができている。前置きが長くなったが、書について、紹介したい。 魅力はたった一つである。多忙な育児の中でも、0円で、すぐに、誰でも行動に移せることだ。 背景にある研究は、トッド・リズリーとベティ・ハ

    『3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ』3歳までの言語環境に、3つのTで - HONZ
  • 『反ワクチン運動の真実 死に至る選択』 - HONZ

    書『反ワクチン運動の真実』は『代替療法の光と影』に続き、地人書館から出版されるポール・オフィットの2冊目の著書となる。 ポール・オフィットは1951年生まれ、感染症、ワクチン、免疫学、ウイルス学を専門とする小児科医である。ロタワクチンの共同開発者の一人であり、米国屈指の名門小児科病院であるフィラデルフィア小児科病院で長らく感染症部長を務めた後、現在はペンシルバニア大学医学大学院の小児科教授として教鞭をとるほか、フィラデルフィア小児科病院ワクチン教育部長も務めている。 1999年に『予防接種は安全か――両親が知っておきたいワクチンの話』日評論社(2002)と抗生物質の使い過ぎをやめようと呼びかける親向けのを出版、その後、書にも登場するポリオワクチンでポリオに感染した子供が出たカッター事件を扱った、『カッター事件』(未訳)を2005年に執筆出版したのを機に、2017年に出版された『パン

    『反ワクチン運動の真実 死に至る選択』 - HONZ
  • 『遅刻してくれて、ありがとう』加速の時代に「ほどほどの人生」をいかに取り戻すか - HONZ

    小学2年生の子どもに「ジャーナリストって何する人?」と訊かれた。子どもの質問はおそろしい。ハシゴを外されるとか背中から撃たれるとか、サラリーマン生活における不意打ちには慣れているつもりだったが、思いがけない方向から簡単には打ち返せないボールを投げてくる。 真っ先に浮かんだのは、「政府が悪いことをしていないか見張る仕事だよ」といういかにも教科書的な回答である。だが子どもは嘘を見抜く。いくら権力の監視役を自任していても、残念ながら会見で政治家を立ち往生させるような鋭い質問をする記者などほとんど見かけない。「そんな人、いないじゃん」と言われて終わりだろう。 あれこれ考えた挙句、こう説明した。「いろいろなところに行って、たくさんの人の話を聴いて、まだ誰も気がついていないことを発見するのが仕事だよ」 この定義が正解かどうかわからない。だがこの時、具体的なジャーナリストの名前が念頭にあったのは確かだ。

    『遅刻してくれて、ありがとう』加速の時代に「ほどほどの人生」をいかに取り戻すか - HONZ
  • あかるい資本家への道 『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』 - HONZ

    少し前に「世の中には500万円で買える会社がこんなにあった!」と題する「現代ビジネス」の記事が、莫大な閲覧数を集めた。書は、その記事の筆者が書いたである。起業を薦めるは世に数多あるが、サラリーマンに「企業買収」を薦めるはほとんど無い。画期的なである。 著者は、事業承継や事業再生のタイミングにある中小企業を引き受ける、投資ファンドを運用している会社のCEOである。つまり、ビジネスの現場で実践している貴重なノウハウを公開しているのである。それはなぜか。その意図について、書にはこう書かれている。 現在日が直面する大きな課題、中小企業100万社が廃業するといわれる「大廃業時代」への一つの解決策を提示したい(中略)ノウハウそれ自体をみなさんに伝え、読者のみなさんにも「中小企業の経営」そのものを担っていただくことで、日の貴重な資産である中小企業とその技術などを承継できる環境を作り上げた

    あかるい資本家への道 『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』 - HONZ
  • 『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』変わろう、動こう。 - HONZ

    昨年末にアップされた、サイボウズの青野慶久社長のこのツイートを読んで衝撃を受けた若者も多いのではないだろうか。 最近、日の大企業でくすぶっている若者たちを見て思うことがある。君たちはね、就活に失敗したんだわ。時代についていけないサラリーマン社長が経営しているイケてない会社を選んじゃったんだわ。そして、くすぶり続けてるってことは、君たちも変化できない奴だってことになる。変わろう、動こう。 — 青野慶久 (@aono) 2017年12月19日 書はこの文章から始まる、これからのあるべき働き方の指針となる啓蒙書である。ここに書いてあることはほぼ正しい。そして、それは心ある人なら誰でも薄々分かっていることである。我々は皆、もう旧来の日型会社システムがワークしなくなっていることに気づいている。 しかしながら、世の中全体がおかしい時には、常識的な大人は、若しかしたら自分が間違っているのではないか

    『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』変わろう、動こう。 - HONZ
  • ぜひハーバードのテキストに! 『蘇るサバ缶』 - HONZ

    泥まみれのサバ缶を石巻から東京の経堂という街に運び、洗って売った、復興支援活動をご存知だろうか。メディアでもたくさん取り上げられたので、ご存知の方も多いだろう。でも、この活動が3月から年末までの長きに渡り、22万缶にのぼったことはあまり知られてない。エピソード自体が美しすぎて、そこに流された「膨大な汗」を私たちはつい見逃してしまう。 書を手に取ったとき、私はまず、この途方もない時間と缶詰の数に驚いた。書を開くと、その活動の過程が連綿と綴られており、その地道な様子が伝わってくる。「何が人々を突き動かし、継続させたのか」その理由が、書を読めばわかる。このレビューは、そこに焦点を当ててまとめていきたい。 経堂の人々の精神は、売名のためにやってきた勘違いした人々を見分ける。著者は、そういった人たちを「モンスターボランティア」として、書の中で切り捨てている。それは、多様性を認めないということ

    ぜひハーバードのテキストに! 『蘇るサバ缶』 - HONZ
  • 古典的名著の再編集『コーヒーのすべて』 - HONZ

    「自家焙煎はやっぱり違う」「豆はエチオピアでね……」なんぞと最近、コーヒーをめぐる話は細かいことになっている。そもそも「こんなに苦いものをなぜ?」と最初に飲んだ時に思った人も多いのではなかろうか。コーヒーがこれほど愛されるようになった背景を知りたい――そんな人は、この文庫から入ると良いかもしれない。アメリカで1935年に出版された『All About Coffee』という伝説的バイブル、百科事典のごとき古典的名著を抄訳、再編集しての新訳の登場だ。 著者はアメリカ人で、1837年生まれのウィリアム・H・ユーカーズ。販売業者向けのコーヒーやスパイスに関する業界専門誌で編集者として働いた後、30歳を前にして、自ら『ティー・アンド・コーヒー・トレード・ジャーナル』を1901年に創刊し、編集長に就任する。1905年にはコーヒーに関してをまとめる下調査として、世界中を1年かけて旅をした。 向かったの

    古典的名著の再編集『コーヒーのすべて』 - HONZ
    TakayukiN627
    TakayukiN627 2018/03/14
    原書に触発されたとしか思えないタイトルの映画『A FILM ABOUT COFFEE』もお勧めだ~表参道にあった大坊珈琲店の大坊勝次さんの所作を観るだけでも一見の価値がある。茶の湯を髣髴とさせるような美しさ
  • 『教養としてのテクノロジー』でテクノロジーを駆動する哲学を知る - HONZ

    ほんの十数年前に登場したばかりのスマートフォンがそうしたように、新たなテクノロジーは私たちの生活を一変させる。AI仮想通貨、ブロックチェーンのような新たなテクノロジーが誕生する速度は加速度的に増し、1つのテクノロジーが与える影響もより大きなものとなっている。グローバル化の進展によって小さくなった世界では、破壊的テクノロジーの影響は一瞬にして世界中を駆け巡り、直ぐにあなたの日常に入り込んでくるのだ。「人間とコンピュータの協調」をテーマに世界の研究をリードするMITメディアラボ所長を務める著者の伊藤穣一は、誰もがテクノロジーを理解すべきだと説く。 テクノロジーはもはや「一部の人たちのもの」ではありません。現代社会を生きる人々が、共通して理解しておくべきものになりつつあります。なぜなら、テクノロジーは、現代に生きる私たち一人ひとりに影響を与え、これまでとは違う生き方を迫ってくるからです。 これ

    『教養としてのテクノロジー』でテクノロジーを駆動する哲学を知る - HONZ
    TakayukiN627
    TakayukiN627 2018/03/12
    ウールは、あたかも学校が存在しないかのように子供を育てる「アンスクーリング(Unschooling)」と呼ばれるコミュニティの在り方を紹介する。
  • 『安楽死を遂げるまで』幸せのまま逝きたい - HONZ

    一昨年、父を亡くした。88歳という年齢に不足はなかったとはいえ、その日まで普通に暮らしていた人が倒れ、救急車で搬送されて一か月でなくなってしまうとは、人も家族もまったく想像していなかった。ましてその間、苦しみ抜くなんて、なおさらだ。 それから私は安楽死について深く考えるようになった。今の日では許されない、自分が死ぬ時期を決めるということ。苦痛に苛まれた末の死は人だけでなく、家族はもとより医師や看護師も辛いだろう。それならば患者人に死ぬ権利を与えたらどうなのか。 著者の宮下洋一はスペインのバルセロナを拠点にするジャーナリストである。パートナーは特別養護老人ホームに勤務する看護師で末期癌患者の緩和ケアも行っている。安楽死が認められていないスペインでは患者が苦しみ抜いて亡くなることもある。その姿をみて彼女は自分なら安楽死したい、という。宮下人はその考えに懐疑的だ。そこで世界の安楽死と自

    『安楽死を遂げるまで』幸せのまま逝きたい - HONZ
  • 『QBism 量子×ベイズ――量子情報時代の新解釈』 - HONZ

    量子力学との出会いは大学2年生の春。恐れ知らずにも物理学を専攻しはじめていた私は、この科目の講義を楽しみにしていた。「シュレーディンガーの」(…生きていて、なおかつ死んでいる?)や「トンネル効果」(…物体が壁をすり抜ける現象?)など何やらミステリアスな量子力学について、ついに理解するときがきた! しかし何度か講義に出たあたりから、期待は幻滅に変わっていく。数式の扱いは習ったし、宿題も何とかこなした。でも肝心な「不思議さ」については何も理解できてない。なぜ粒子(あるいは)は、観測をしただけで状態を変えたりするのか? 先生は「受け入れるしかありません」という。周りの友人たちも、「なぜ」にこだわり続けるのは未熟だといわんばかりに、「慣れる」ことを競っている。何か釈然としない思いだけが残る……。 最近では「量子コンピュータ」への注目などから、量子力学が話題に上ることも多くなった。けれど、それ

    『QBism 量子×ベイズ――量子情報時代の新解釈』 - HONZ
  • 『評価の経済学』まわりの評判が気になったときに手に取る本 - HONZ

    書の主題は、レピュテーションである。原書のタイトルは「The Reputation Game The art of Changing How People See You」で、評判をゲームとしてモデル化し、そのゲームを勝ち抜くためのお作法をまとめている。流し読みするだけでも、周囲からの評価を得ようと躍起になり、他者からの評価に振り回される日常を冷静に俯瞰することができるだろう。知ることで冷静になれる、単純明快な実用性がある。 また、読み込む価値も充分にある。なぜなら、書が最終的に問いかけていることの一つは、「物になろうと努力しますか、ズルしますか」という単純で深い問いであるからだ。 人間は悪人でなくとも、ズルしたくなり、さらにちょっとした噓やごまかしを正当化してしまう。なかでも、評判というのは厄介で、一時的に見繕うことができてしまう。例えば、有名人と仲が良いことをほのめかし、共同でセ

    『評価の経済学』まわりの評判が気になったときに手に取る本 - HONZ
  • 『津波の霊たち 3・11 死と生の物語』大川小学校の悲劇。あまりにも複層的な物語 - HONZ

    リチャード・ロイド・パリーの新刊である。そう聞いただけでピンときた人はよほどのノンフィクション好きか、あるいはHONZファンであろうか。英《ザ・タイムズ》誌アジア編集長、東京支局長でもある著者は前作『黒い迷宮』で2000年におきた英国人女性ルーシー・ブラックマンさん殺害事件を追い、日の歓楽街の闇の一面を見事に描き出した。HONZでも話題騒然となり内藤編集長が著者インタビューを敢行している。 そんな彼が今回題材に選んだのが東日大震災。それも釜谷地区という小さな集落でおきていた、ある「悲劇」に焦点を当てながら、日にとって戦後最大の危機であった、あの災害を丹念に取材し描き出していく。 東日大震災では様々な出来事が極めて複層的に起きているため、震災直後から現場に急行し、現地に留まりながら取材を重ねている著者は、常に焦点が定まらないような感覚に襲われていたという。そんなとき、宮城県石巻市にあ

    『津波の霊たち 3・11 死と生の物語』大川小学校の悲劇。あまりにも複層的な物語 - HONZ
  • 『ラーメンを科学する』つけ麺はなぜ「ぬるい」のか - HONZ

    いまや国民となったラーメン。多くの人が、一度は病みつきになったラーメンがあるだろう。なぜ我々はそのラーメにはまったのか。麺の感か、スープのうま味か、匂いか。なんとなく好きなのかもしれないが、そこにはおそらく人も自覚していない理由があるだろう そうなのだ。あのラーメン店に行列ができるのも、飲み会の帰りにラーメンべたくなるのも理由があるのだ。書はその理由に科学の力で迫った一冊だ。「科学」というと仰々しいが、机上の分析ではなく、著者が足と舌を使いながら取材を重ね、専門家に意見を求める構成なのでぐいぐいと引き込まれる。 例えば、つけ麺。著者はつけ麺否定派で、「つけ麺がわからない」とぼやく。「おいしいおいしくない以前に、熱いか冷たいかはっきりしろ、と思ったー中略ーぬるいってなんだ、ぬるいって」。わかる、私も全く同じ意見だ。 著者はうまいつけ麺ならば違うかもと5時間待ちの名店でつけ麺を

    『ラーメンを科学する』つけ麺はなぜ「ぬるい」のか - HONZ
  • 『私はすでに死んでいる──ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』 「自己」という感覚を脳はどのように構築しているのか - HONZ

    「私はもう死んでいる」(コタール症候群)、「この足は断じて自分の足ではない」(身体完全同一性障害)、「目の前にもうひとりの自分が立っていた」(ドッペルゲンガー)──わたしたちが「自己」と呼んでいるものに歪みを生じさせるような、驚くべき症例と経験の数々。書は、それらの症例と経験を手がかりとしながら、「自己とは何か」という大問題に迫る挑戦的な一書である。 挑戦的なだけではない。書は痺れるくらいにエキサイティングでもある。書をそれほどエキサイティングにしているのは、以下のふたつの要素だ。 まずひとつは、痛ましくも興味深い症例と経験のストーリー。書は、アルツハイマー病、統合失調症、自閉症といったよく耳にする疾患だけでなく、コタール症候群、離人症性障害、ドッペルゲンガーといったあまり知られていない疾患や経験もとりあげている。そして、それらの症例や経験をドラマチックに紹介する筋立てがじつによく

    『私はすでに死んでいる──ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』 「自己」という感覚を脳はどのように構築しているのか - HONZ
  • 『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』 AI研究が明らかにした人間の弱点 - HONZ

    書店で、テレビで、ツイッターで、AIの二文字が踊っている。創造性あふれる小説の執筆や複雑なビジネスオペレーションの効率化など、これまで人間にしかできないと思われていた知的活動を、最新のAIが軽々と成し遂げたことを伝えるニュースは引きも切らない。 特に、将棋や囲碁のトッププロをAIが打ち破ったニュースは驚きとともに世界に伝えられた。ウサイン・ボルトより早く走る車やそろばん名人を凌駕する計算能力を示すコンピュータは当たり前のものとなったけれど、将棋や囲碁のように複雑でクリエイティビティが要求されるゲームは、大きな脳を持つホモ・サピエンスの専売特許のはずだった。そんな得意分野における人類最高峰がAIに敗れてしまったのだ。 AIブームは過熱するばかり。今後もAIは成長を続けることで人間の知能を追い越すというシンギュラリティ理論や、AIが人間に牙をむくことになるというAI脅威論も広まっている。果たし

    『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』 AI研究が明らかにした人間の弱点 - HONZ
  • 『ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』働き方改革、その前に - HONZ

    久しぶりに画期的な組織論のに出会った。 この『ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』は、単なるビジネス書ではなく、インターネットなどテクノロジーの進歩により可能になった個人の自律を前提とした会社のあり方、即ち、自己組織化する組織「ティール(Teal)」を提唱する、進化論と発達心理学を基礎とした社会変革の啓蒙書である。 書の原著”Reinventing Organizations: A Guide to Creating Organizations Inspired by the Next Stage of Human Consciousness”は、2014年に自費出版されて以来、現在まで12か国語に翻訳され、売上は既に20万部以上に達しているベストセラーである。 ピーター・センゲの『学習する組織』が日に紹介された時以来のインパクトと「解説」に書かれているが、

    『ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』働き方改革、その前に - HONZ
  • 『老後破産 長寿という悪夢』 - HONZ

    はじめに 大学の「社会保障論」の講義の中で、NHKスペシャル「老後破産」を教材に用いると、学生は衝撃を受ける。「なぜ高齢期に、こんな悲惨なことが起こるのか」「社会保障制度はどうなっているのだ」と──。丹念な取材で一人暮らし高齢者の生活を浮き彫りにしたルポは、若者の目を社会に向けさせ、社会のあるべき姿を思索させる力をもつ。 書が取りあげた一人暮らし高齢者の「老後破産」は、日の「家族依存型」社会保障制度が大きな岐路に立っていることを示している。日では、高齢期の貧困、介護、孤立といった生活上のリスクに対して、家族が大きな役割を果たしてきた。しかし、世帯規模が小さくなり、家族・世帯の形態が大きく変わる中で、家族・世帯の支え合い機能が弱体化している。単身世帯(一人暮らし)は、その象徴である。 65歳以上の一人暮らし高齢者数は、1985年から2015年の30年間で、118万人から593万人へと5

    『老後破産 長寿という悪夢』 - HONZ
  • 『カレーライスを一から作る』米も、野菜も、肉も、食器も! - HONZ

    カレーライスを一から作る。そう聞けば「ふむふむ、市販のルーを使わずに、スパイスをアレンジするのかな」と、まずは思うのが普通のリアクション。で、隠し味とか一手間とか、なにか工夫やアイディアがあって、と。実際「カレーライスをつくる」「カレーライスを語る」というは数多ある。なにしろ国民。美味しく作るために、どれほど多くの人々が、どれほど多くの情熱を傾けてきたことか。 しかしこのはそうではないのだ。表紙に小さく書いてある「関野吉晴ゼミ」の文字に気づけば、ただのカレーライスではないことがわかるだろう。 関野吉晴さんといえば、人類の足跡をたどる旅・グレートジャーニー! 1995年から2002年までフジテレビで不定期放送されていた紀行ドキュメンタリーで、世界中を飛び回っていた探検家である。植村直己冒険賞受賞、人類学者であると同時に外科医でもある。この日が誇る探検家がカレーライスをどうしたって?

    『カレーライスを一から作る』米も、野菜も、肉も、食器も! - HONZ
    TakayukiN627
    TakayukiN627 2018/01/24
    でも、何もない「ゼロ」から、種や命を生みだすことはできない。だから、始まりは「ゼロ」ではなく「一」なのだ。自然が生み出す大事な「一」