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ブックマーク / totodaisuke.weblogs.jp (5)

  • サブプライム危機の真犯人

    「現在の金融危機を招いたのは、返済能力がない人たちに、金融機関が詐欺まがいの強引な貸し付けを続けたからだ」といった説がまかり通っている(日だけでなく、米国でも)。しかし、金融機関をスケープゴートとする俗説が事実に基づいていないことが、最近発表された論文で明らかになっている。 "Anatomy of a Train Wreck - Causes of the Mortgage Meltdown" (Stan J. Liebowitz, Oct 2008) によれば、2006年以降のデフォルト率はサブプライムかプライムかで大きな変化はなく、むしろ重要な区別は金利が固定金利ローンか、変動金利ローンかである、としている(下記のチャートをご参照)。 確かにデータを見ていると、貸し倒れの推移トレンドは上のサブプライムローンと、下の通常のローンで差はない。むしろ、サブプライムの方は2000年~2002

    サブプライム危機の真犯人
  • 破たんを免れたAIG (2)

    前エントリーで見たような経緯で公的支援が決まったAIGだが、米政府の思惑とは裏腹に、マーケットはまったく落着きを見せることがない。「次はどこか?」との憶測が憶測を呼び、「どこまで損が広がるのか」と、終わりが見えない不透明感が、事態をより悪化させている。すでに、「1930年代の大恐慌以来の最悪の危機」との評価がなされている。 当初は公的支援に否定的だった政府を動かしたものは、AIG は "too, too big to fail" だったという実情だろう。5兆ドルを超えるクレジット関連デリバティブのカウンターパーティ(引受先)として世界中の金融機関との取引が複雑に入り組んでいる同社の破たんは、世界を巻き込んだ未曾有の金融危機を巻き起こしうるとして、そのシステミックリスクは大きすぎると判断された。 しかし、この当局の一連の動きについては、いくつもの論点が提示されている。 一つは、その意思決定基

  • 破たんを免れたAIG (1)

    電撃的に政府による救済が決まり、破たんを免れたAIG。ここ数日間の内部の動きについて、今朝のWall Street Journal はドキュメント風に綴っている。以下、時系列で出来事のポイントを抜粋。 "Bad Bets and Cash Crunch Pushed AIG to Brink" (「悪い賭けとキャッシュ不足がAIGをギリギリまで追い込んだ」) Wall Street Journal, 2008/9/18 ・ 金曜の時点では、AIGはJPモルガンと買収ファンドのブラックストーンらと共同で、必要資金を計算していた。前日には200億ドル(約2兆円)とされていたが、不動産関連の証券が急激に値下がりしたことで、この日には倍の400億ドル(約4兆円)に膨れ上がっていた。 ニューヨーク州の保険監督当局は、同社に子会社から200億ドルの資金を調達することを許した。これによって、「あと200

  • 伝える力

    小学館の岩瀬英介さんの噂は何名かの友人経由で聞いていたのだが、実際にお会いしたのは半年前。その場にはもう一人、同世代の岩瀬さんがいて、三人で「岩瀬トリオ」を結成したのだが、英介さんは特に ace-k, dice-k という名前の似てる具合からもとても他人とは思えず、兄のように慕っている。 このたび、彼がデスクを務めるDIME誌にて、 『アナタの仕事を劇的に進化させる24の掟(ルール)』 の特集の中で、『プレゼン説得術』として登場させて頂いた。 新聞広告や、電車の中吊りに小さく顔写真が出ていたの、気づかれた方いらっしゃったでしょうか?私は月曜に日経新聞を読んでいて、思いがけず自分の写真を発見したので(掲載日とか正確に覚えていないので)嬉しくなっちゃいました。 取材の最後に、画用紙に大きくメッセージを書いて撮影をしたのだが、何を書こうかなとちょっと頭をひねらせたすえ、以下のことを書いた: lo

    伝える力
  • ネット生保のデメリット(2)

    今朝の日経新聞4面、「ネット生保 格始動 ~ 保険料低く 大手に経営変革迫る」の記事は秀逸でした。ネット生保の質を鋭く書いていると思います。ぜひ、ご一読ください。 ネット生保のデメリットとして掲げられる、「営業職員に相談できない」という点については、以下のように書かれています: 大手ならば営業職員に相談できるが、ネット生保では原則としてすべて自分でこなさなくてはならない。 ファイナンシャルプランナーの内藤真弓さんは「ネット生保に加入するなら契約の自己管理が欠かせない。コールセンターをフル活用すべきだ」と助言する。 対面か電話かの違いがあっても、丁寧に対応するのは変わりませんので、コールセンターをフル活用頂ければ、かなりのサービスはご提供できると思っているのですが。 また、新設会社ゆえの不安定さについては、以下のように書かれています: さらに、ネット生保は大手生保に比べると、財務基盤が劣

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