自然派医師のブログ健康・医療・食事・農業や環境に至るまで、幅広い視野で、様々な思いを投稿していこうと思っています。 日々の診療や講演会活動での補足や復習にもなるような内容になるといいですね。 今回は腸内細菌が心に及ぼす影響についてまとめます。 腸の状態が精神状態に影響するという考えは、決して新しいものではなく、100年以上前から言われています。 19~20世紀初頭では腸の老廃物や毒素が中毒を起こし、うつ、不安、精神病などを起こすと考え(いわゆる自家中毒)、下剤の投与や腹部手術まで行われることがありました。 しかし、腸と精神疾患との関連は、その後、否定的な報告が多くなされ、次第に、フロイトの心理神経症理論などに置き換えられていき、いったんは完全に下火になり、忘れ去られていました。 ごく最近になり、腸内細菌の働きや重要性が明らかになるにつれ、腸と心の関係が、精神医学の分野でも再び注目されてきて