広島市西区で01年、母親を殺害後、母親宅に放火し自分の娘2人を焼死させたうえ、多額の保険金を受け取ったなどとして、殺人、現住建造物等放火、詐欺などの罪に問われた元会社員の中村国治被告(39)=求刑死刑=の控訴審判決が14日、広島高裁であった。楢崎康英裁判長は無罪を言い渡した一審・広島地裁判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。 中村被告は01年1月17日午前3時ごろ、同区己斐大迫1丁目の母の小夜子さん(当時53)宅で、母親の首を手で絞めて殺害した後、灯油をまいて火を付け、自分の長女彩華さん(同8)と次女ありすちゃん(同6)を焼死させ、3人の保険金など計約7300万円を詐取したなどとして起訴されていた。 07年11月の一審判決は、中村被告の捜査段階での自白の任意性を認めつつも、検察側が「母親らの死亡保険金を入手する目的だった」と主張した動機について、「借金苦などによる自殺願望から死刑志願を