■10月新年度に入りタイのコメ政策は変わったのか?■ Rice fields / echiner1 10月はタイ政府の新年度、そしてコメ作年度のはじまりである。インラック政権の目玉政策である「コメ抵当スキーム」。コメを担保に農家が融資を受けられるという制度だが、担保を放棄すれば返済の義務はなくなる。融資額はコメの市場価格よりもはるかに高いため農民にとっては担保を放棄したほうが有利だ。かくして実質的には政府によるコメ買い上げ制度として機能している。 この制度が新年度も継続されることが決まった。 3年目を迎えた「コメ抵当スキーム」。当初は「世界一のコメ輸出国」という立場を生かし、国際的なコメ価格つり上げにつなげたいと意気込んでいたが、その狙いは実現していない。それどころか、世界の需給を反映して価格は下落。さらにタイはコメ輸出量世界一の座から転落している。政府が高値で買い取ったコメは政府の倉庫に