瀬戸優は、テラコッタ(素焼きの土)に彩色を施し、フクロウやライオン、ゴリラなどの野生動物をモチーフにした実物大の彫刻作品を制作しています。精緻なリアルを追求するのではなく、自身の触覚として手の跡や彩色のムラが残る粘土、本物の動物の眼光を表すガラス製の玉眼を用いることで、生命の力強さと躍動感を表現しています。 幼い頃に、野生に生きる絶滅危惧種で天然記念物のカモシカの姿を目の当たりにしたことから、食物連鎖や光合成による生命の“循環”に意識が芽生えたと言う瀬戸。アーティストとして活動を続ける現在も、循環の象徴として野生動物をモチーフに選んでいます。 本展では「星を数える」と題した大型彫刻を中心に、瀬戸優の新作彫刻約10点を発表します。 アーティストステートメント 自然界で"老衰死"は存在するのだろうか。老いて弱っていくと天敵に襲われたり、縄張り争いに負けてしまうだろう。"寿命を全うする"というこ