昨年(2010年)末、未公開映画祭ページにてオンデマンドで観て以来、最近DVDがリリースされていたので再観賞。せっかくなので米国宗教保守派史のまとめも兼ねて感想を。長々と歴史を書いていくが、この福音派の誕生から現代までの歴史を順におさえていくと、最終的にこの作品の全体像が浮かび上がってくると思うので、まぁ、豆知識としてどうぞ。 第一章 原理主義の登場一九世紀末、ドイツの神学校を中心として「高等批評」と呼ばれる聖書分析の手法が広がっていった。これは聖書を絶対的なものとせず、近代科学的な文献学の手法で客観的に分析しようとするもので、聖書を科学的に分析し理解を深めることで、より信仰を強くしようという試みであった。 高等批評はほどなくして米国にも輸入されてプロテスタント教会や神学校で盛んに研究されるが、客観的な分析を行う高等批評は、聖書は神の言葉ではなく誰かが特定の意図を持って書いた創作物であると