僕たちは医療機器の発達から恩恵を受けています。例えば、胎児心拍モニターの発達とそのデータ解析の成熟により、かつては助からなかった赤ちゃんの命を助けることができるようになりました。 日本では、予定日に近くなったり、分娩(ぶんべん)が始まったりすれば、胎児心拍モニターで胎児の心音を確認します。このときに病気の赤ちゃんを見つけることがあります。機械のない時代なら見過ごしてしまった可能性がある病気です。 赤ちゃんの血液がお母さん側に流れ、赤ちゃんが重度の貧血となる「胎児母体間輸血」という病気も、胎児心拍モニターにより発見されることがあります。 赤ちゃんとお母さんは胎盤を通して酸素や栄養のやり取りをしています。赤ちゃんの血液もお母さん側に少量流れるのは問題ありませんが、過剰だと赤ちゃんが重度の貧血になります。 重症になるのは本当にごくまれなことですが、いったん重症になれば、ちょっとふらつく程度の貧血