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ブックマーク / blog.tinect.jp (5)

  • 田舎からはるか遠き「食文化のセンス」

    ネットの風は、ときにぞっとするほど世知辛い。 2022年2月の上旬に巻き起こった、イタリアンファミリーレストラン「サイゼリヤ」を巡る話題もそうで、「サイゼリヤに男性が女性をデートに連れていく」という行為を巡ってさまざまな人が意見を述べ、ちょっと政治的なステートメントを表明したりして盛況だった。 くだらない話のように見えて切実なテーマだったから、話題の連鎖反応が起こったのだろう。 とはいえ、これ自体は長くネットを眺めている人には既出の話題ではある。 そうしたなかで私がしみじみと感じ入ったのは、以下のような枝葉の議論についてだ。 「高過ぎず気取ってなくて居心地のいいそこそこセンスのある美味しいお店」を探索・提示できる能力って、まさに文化ど真ん中としか言いようがない。尤も、どの分野でも「コストがかかりすぎず気取ってなくて居心地良くてセンスのある○○」って文化ど真ん中だよね。それらを認めた

    田舎からはるか遠き「食文化のセンス」
  • 「なんで誰も結婚せんねや!」と、母が怒って言った。

    所用があって、昔住んでいた町に立ち寄った。 その時にはもう、私が生まれ育った家はなくなっていたし、近所に住んでいた友人たちもほうぼう散って、そこは故郷でも、私のよく知る町でもなくなっている筈だった。 それでも見慣れた下町の風情や、昔はピカピカしていたマンションが、ベランダに干された洗濯物や布団といった生活に垢じみているのが目に入ると、ちょっとした郷愁が湧き起こって、私は昔よく遊びに通った神社に立ち寄ることにした。 もう日暮れ近い。玉砂利に夕日が差している他は、境内には誰もいなかった。 殿の脇にある、小さな稲荷の祠の前での親子がのんびりと毛づくろいをしている。 後ろで自転車が止まる音がした。 奇妙な予感にとらわれて振り返ると、少し離れた場所に、やせ細った骸骨のような老婆が自転車に乗ったままこちらを見ていた。 老婆は目を細めて私の顔を見ている。何かを言いたそうにサドルの上でもじもじとしてい

    「なんで誰も結婚せんねや!」と、母が怒って言った。
  • スーパー労働者にしか給与や地位を約束しない社会はどこかおかしい

    「そこそこ簡単で、それなりの給与と地位が約束される仕事」が消えた世の中では、見えにくい「弱者」が増えている。 -books&apps 彼らは単純な反復作業はできる。マニュアルがあれば、それ通りに仕事をすることもできる。 でも、すこしイレギュラーがあると、途端に仕事が止まる。 「それぐらい考えてやれよ」といっても、彼らには想像の枠外である。 まして、非定型業務、たとえば作戦を考えたり、タスクを分解してスケジューリングをして関係者の調整を図ったり、前例のない事をやったりすることは、到底無理である。 つまり、 「考えてやれ」 「タスクを設定して管理せよ」 「自分で調べならがらやれ」 「改善しながらすすめてくれ」 こういう指示は彼らには、「難しすぎる」のである。 先日、安達裕哉さんがこのようなブログ記事を投稿されているのを見つけた。 真面目に定型業務をこなせる人々が、産業構造の変化によって重宝され

    スーパー労働者にしか給与や地位を約束しない社会はどこかおかしい
  • 「研修制度はありますか?と聞く学生は、筋が悪い」と言う採用担当者の話。

    この時期は、様々な会社の新卒採用を手伝う事がある。 私は書く仕事が得意なので、実はブログを書いたり、応募受付文を書いたり、DMを書いたり、説明会の資料を作ったりと、結構さまざまな場所で、新卒採用に関わっている。 そんな中、立て続けに複数の会社の採用担当者が、 「研修制度はありますか?」と聞く学生について「微妙」とか「筋が悪い」と言うのを聞いた。 話を聞くと、説明会や面談の場で、よく研修についての質問を受けるという。 「入社後にどんな研修がありますか?」 「資格取得をサポートしてくれますか?」 「スキルアップのための補助はありますか?」 そんなことを聞かれるという。 「スキルアップに熱心なのは悪いことではないですよね」と私が言うと、 「まあね。でも、筋は悪いよね」と、一人の担当者は言う。 「もちろん研修は用意しているし、スキルアップに熱心なのはわかるけど、来スキルアップなんてものは、自分で

    「研修制度はありますか?と聞く学生は、筋が悪い」と言う採用担当者の話。
  • 「知識を手に入れるための知識」がない人にとって、Google検索はあまりにも難しい。

    私はGoogle検索が大好きです。 天文学も、サブカルチャー史も、世界史も、ググれば楽しい情報をざくざく掘り出せます。ただし、そのためには工夫が必要ですが。 Google検索は召喚術で、あなたの詠唱能力が試されている 偉大なグーグルウィザードは、Googleという名の巨大な魔法の杖に絶妙のワードを入力し、森羅万象を明らかにする。 ネットの奥底に眠る鉱脈を掘り当て、ときには女子中学生の精霊を眼前にかき集めてみせる。一方、駆け出しのグーグルユーザーは、ぎこちなくワードを唱え、wikipediayahoo知恵袋を呼び出すのが精いっぱい……。 この2013年のブログ記事を要約すると、「Google検索で良い知識を手に入れるには、検索ワードを工夫する必要がある」というものです。 “Google検索は、ありきたりの検索ワードしか入力しない人には、ありきたりの知識しか見せてくれない。だから、興味深い知

    「知識を手に入れるための知識」がない人にとって、Google検索はあまりにも難しい。
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