はじめに 今年5月、私は『かわいいウルフ』という同人誌を発売した。20世紀の作家ヴァージニア・ウルフのファンブックだ。彼女の作品の紹介や、翻訳、ウルフの文章を実際に訳した方のインタビューやエッセイを掲載した。それだけでなく、友人・知人21名にウルフ作品を鑑賞してもらい、その感想を自由な形で書いてもらった。「ヴァージニア・ウルフの良さを一人でも多くの人に知ってもらいたい」その一心で、とても真剣に、楽しんで作った本だ。 本書は、今年5月6日の文学フリマ、ネット販売、そして全国の主に独立系書店で販売を行い、一ヶ月で500部を完売した。現在は第二版を販売中だ。今は最初の一ヶ月の勢いほどはないものの、じわじわと売れ続けている。 なぜ無名なサークルの、こんなニッチなテーマで、しかもインディペンデントに作られた雑誌が売れているのだろう。時々自分でも不思議に思うが、これだけは言える。SNS、というかTwi