菜の花が咲く旧暦の節句のころから、熊本・天草の不知火海に面 した龍ヶ岳町や御所浦町一帯(写真・拡大する)では、スターフィッシュつまり、ヒトデが食される。 「ゴホンガゼ」と島の人たちに呼ばれている種類(写真・拡大する)で、表面は薄紫色、白い小さなトゲがたくさんあるのが特徴だ。 裏返すと足の内側に沿って薄いオレンジ色の卵が見える。 2月から5月始めにかけてヒトデの卵が入るこの時期だけの、磯料理だ。 天草郡龍ヶ岳町樋島 の海岸一帯では昔から、潮干狩りでカキやミナと一緒に、採られてきた。 何でヒトデを食べるようになったのか由来はよくわからないが、浜に潮干狩りに来ていた同町の江口信子さんの話では、小さい頃「節句ばまに行ったもんな色ん白うなる(旧暦の節句の時期に潮干狩りに行った者は色が白くなる)」といわれ、それを信じてよく行ったという。 海へ行くと、逆に日に焼けて黒くなるはずなのに、なぜだか今でも、そ