ブックマーク / manba.co.jp (7)

  • パラニュークが『ファイト・クラブ』を発表する17年前に—ほんまりう『息をつめて走りぬけよう』 後編 | マンバ通信

    ▼前編はこちら ここからはおまけ。作の復刊を例とする「個人でやる漫画同人復刊」講座です。筆者はいちおう出版社にいたことはありますが、漫画をやったことはなかった(特に生原稿なんて同人復刊やるまで触ったこともなかった)ので、この辺に関しては完全な我流であり、プロの漫画編集者から見たら失笑もののやり方かも知れん……という恐怖はあるんですが、「世に出てほしい漫画があるんだけど、自分は業界人じゃないし……」という方の参考に、というか「やり方は教える。やりましょう」の気持ちで書きます。復刊ドットコムに頼るだけが手じゃあないですぜ。 仕様 まず決めるべきは仕様です。サイズ、表紙カバーや帯、PPの有無などですね。商業コミックスは文庫〜A5でカバーあり、コンビニ版だとB6かA5でカバーなし(ペーパーバック)、「薄い」と云われるタイプの同人誌はB5かA5でカバーなし……というのが一般的ですが、まあ決まりが

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  • 『三国志』を知りたい初心者にうってつけの歴史大河ギャグ—片山まさゆき『SWEET三国志』 | マンバ通信

    『SWEET三国志』 突然ですが、三大「男が好きなもの」といえばヘリコプター、F-1、そして三国志ですね。『ハトのおよめさん』のハトのダンナがそうだったから間違いない。 『ハトのおよめさん』8巻81ページより しかしこの三国志というもの、一般教養のごとく語る人もいる一方で、「実はあんまりよく知らない……」「興味はあるんだけどハードル高くて……」という人も少なくないだろうと思います。 まず、なんといっても長い。原作たる中国の『三国志演義』(注1:ここらへん当は色々面倒な話になるんですが、稿の主題とは直接関係ありませんので、注釈はまとめて一番下に置きます)は、黄巾の乱(184年)から、諸葛亮孔明(注2)の死(234年)、蜀の滅亡(263年)、呉の滅亡(280年)まで100年近い歴史を描く一大サーガであり、全120回という長い構成ですので、それを元にした小説漫画も大抵の場合長くなります。日

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  • 矢口高雄『9で割れ!!』—昭和銀行員の奮闘記+矢口版『まんが道』と一粒で二度おいしい一作 | マンバ通信

    『9で割れ!!』 有名漫画家の過去をたぐると——やはり、まずアシスタント出身者が多い! 大学漫研出身者も多い! そして、なんと、われらの「世紀のハンサムボーイ」矢口高雄は? 銀行員出身である!!(GYAAAN) ……と、いきなり『プロレススーパースター列伝』(梶原一騎+原田久仁信)のセリフ改変で話を始めましたが、昨年に亡くなられた釣り漫画の巨匠・矢口高雄は、高校を卒業した昭和33年(1958年)4月から10年以上羽後銀行(秋田あけぼの銀行と合併して現在は北都銀行)で銀行員をした後に、30歳という当時としてはかなり遅咲きのデビューをして漫画家になったという、けっこう異色の経歴の持ち主として知られています。ちなみに、「世紀のハンサムボーイ」というのは、賢明なる『釣りキチ三平』の読者ならおわかりでしょうが、作中に作者人が登場して解説をするシーンでそう自称するのがお約束だったことによります。 『

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  • 「オレたち何を見せられてるんだ!?」が氷解する頃には、きっと『古代戦士ハニワット』にハマっているに違いなく… | マンバ通信

    「オレたち何を見せられてるんだ!?」が氷解する頃には、きっと『古代戦士ハニワット』にハマっているに違いなく… 先日、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』監督の庵野秀明が『プロフェッショナル仕事の流儀』でこう言っていた。 「謎に包まれたものを喜ぶ人が少なくなってきている」 「謎に包まれた作品=面白い」とは限らないとしても、早い段階で「これは確実に面白さのある作品ですよ」とわかりやすく提示されないと、ついていくことをあきらめる人が増えている……というのは体感的にも納得できる。 その流れでいうと、『古代戦士ハニワット』は時代に逆行したマンガなのかもしれない。なにせ第1話を読んだ時点では「でっかいクエスチョンマーク」が浮かぶだけなのだから。 このタイトルと表紙を見た人はまず、「埴輪をモチーフにしたヒーロー物なんだな」と予想するだろう。その予想は間違いではない。しかし。 『ハニワット』は、土偶のような物

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  • このエッセイ漫画を読め!

    面白いエッセイ漫画をジャンル問わずあげてくトピックです。 ただの日常から、旅行、闘病、グルメ、恋愛結婚育児…なんでも来い! 自分が好きなのは 二ノ宮知子「おにぎり通信」、吉田戦車「まんが親」、東村アキコ「ママはテンパリスト」、福満しげゆき「僕の小規模な生活」(なぜか子育てが多い)など。

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  • 壊れやすい卵のための21世紀マンガレビュー(第2回) やまもり三香『椿町ロンリープラネット』 | マンバ通信

    1 はじめに 藤由香里は、かつて「少女マンガの根底に流れているのは、「私の居場所はどこにあるの?」という問い、誰かにそのままの自分を受け入れてほしいという願いである」(*1)と明言し、つぎのように論じました。 彼女の存在の根拠が揺らいでいるそもそもの原因は、多く、来なら最も無条件に彼女の存在を受け入れてくれるはずの他者――つまり両親――からの自己肯定が得られず、そればかりか積極的に否定さえされてしまう、というところにある。だから、少女マンガには「家族」をめぐる話が実に多い(略)。考えてみれば恋愛ものだって、その先に「幸福な結婚」がおぼろげにせよ措定されているとするならば、これも「家族回復」の物語だといえる。(*2) かくして藤は「少女の「居場所探し」の旅はそのまま「あり得べき理想の家族」の回復への旅に他ならない」(*3)と喝破しました。 少女マンガとは少女による居場所探しの旅であり、

  • 『御意見無用』復刊記念・ありま猛氏インタビュー あだち兄弟にギャンブル漬けにされたお陰で『連ちゃんパパ』は生まれた? | マンバ通信

    『御意見無用』復刊記念・ありま猛氏インタビュー あだち兄弟にギャンブル漬けにされたお陰で『連ちゃんパパ』は生まれた!? 『御意見無用』 ——今回は、ありま先生の初期麻雀漫画『御意見無用』がこのたび、KADOKAWAさんのヒューコミックスから40年ぶりに復刊されたということで、インタビューをさせていただきます。これ、最初の掲載誌は『近代麻雀オリジナル』(竹書房)じゃなくて『スポコミ』(一道社※1)ですよね。作品タイトルも「苦労賭けます」で。 ※1 81年6月号創刊。一道社は元『少年画報』編集長・金子一雄氏が経営していた会社で、70年代は編集プロダクションとして活動していたが、この年で会社解散。 『スポコミ』創刊号 ありま そう、出してた会社がすぐ潰れちゃったんですよね。 ——2号くらいで。 ありま 「創刊号」「廃刊号」みたいな。「何だ、せっかく描いたのに」って思ってたら、竹書房の方で「うちで

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