賭博問題で相撲協会の再発防止に向けた取り組みが不十分だとして、生中継からダイジェスト番組に切り替えたNHKが試行錯誤している。安定した「仕切り」で長年、取組の様子を伝えてきたアナウンサーも苦心している。 実況アナが座る愛知県体育館の放送ブース。今場所は元小結・舞の海さんら解説者の姿がない。カメラも、花道を中心に減らし、11台から5台に。会場のスタッフも例年の3分の2だ。 ただ、中継の中止で「省力化」が図れたわけではない。むしろ制作現場はてんてこ舞いだ。ダイジェストが始まるのは午後6時半(土日祝日は午後6時10分)。結びの一番から10〜30分後だ。取組が終わるたびに東京に映像を電波で送り、同時並行で編集が進む。番組で取り上げる取組の間のつなぎ部分は、放送中に別のアナが生で声をかぶせるという慌ただしさだ。 異例ずくめなのは実況の現場も同じ。普段なら力士の仕切りからしゃべり始める。少しずつ