高級マグロとして知られるクロマグロの減少が懸念されるとして、農林水産省は、クロマグロを卵から育てる完全養殖技術の商業化に向け研究体制を強化することにしています。 国内で消費されているクロマグロの6割近くは、漁獲した幼魚を生けすで育てたものですが、幼魚の乱獲による資源の減少も懸念され、国内の大学や企業の間ではクロマグロを卵から育てる完全養殖技術の研究が進められています。 しかし、完全養殖に欠かせない卵を安定的に確保するため親マグロに産卵させることは、水温などの管理が難しく、商業化に向けた課題になっているということです。このため、農林水産省は、ことし長崎県内に研究施設を設け、親マグロの産卵についての研究体制を強化し大学や企業とも連携して、平成28年度に年間10万匹を完全養殖できるように技術の確立を目指すことにしています。 農林水産省農林水産技術会議事務局の中山一郎研究調整官は「世界のクロマグロ