豊臣秀吉が創建した方広寺(京都市東山区)で、大仏殿を囲む築地塀の柱を据えた礎石が発見され、京都市埋蔵文化財研究所が10日、発表した。江戸時代に焼失した大仏殿は、南北約90メートル、東西約55メートルと推定されており、奈良・東大寺をしのぐ国内最大の木造建築物だったといい、創建時の様子を知る手掛かりになるという。 研究所によると、礎石を割る際に生じる矢穴の形状が、秀吉が晩年に築いた京都新城(同市上京区)の石垣に残る跡と似ていたことから、築地塀は秀吉期の造営とみられる。礎石は方広寺の南東部で二つ発見され、築地塀の南辺と考えられるという。