トルコの海岸に打ち上げられた、赤ん坊の服につけられていたおしゃぶり(2016年1月30日撮影)。(c)AFP/Ozan Kose 【3月29日 AFP】その赤ん坊は、私が海岸で見た最初の遺体だった。生後9か月か10か月ぐらいの男の子。厚着をして帽子をかぶっていた。オレンジ色のおしゃぶりが服につけてあった。赤ん坊の近くには8歳か9歳ぐらいの子どもが、またその近くには女性が浮かんでいた。おそらく2人の子の母親なのだろう。 私は数枚の写真を撮った。海岸沿いを歩くと、岩の上にまた別の子どもの遺体が見えた。後で、悪夢にうなされるだろう。何時間も言葉を発せなくなるだろう。だがその瞬間、私は何も感じていなかった。それが正直な気持ちだ。トルコ警察が遺体を収容していた。前夜に沖合でおぼれた人たちだ。遺体の数はあまりに多く、私はそのすべてを数えることができなかった。 しばらくの間、赤ん坊は放置されていた。私は
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