前回の記事では、旧態依然の補助金行政でインフラを再整備しても、被災地の水産業に明るい未来はないことを説明しました。では、漁業の復興はどうあるべきなのか? 漁業の復興には、最低でも5年は必要です。こういう難局だからこそ、漁業の構造的な問題を解消し、未来志向で、上向きな産業を育てて行かなくてはなりません。被災地の漁業を、より自立した、より生産的な産業として、新しく作らなければならないのです。 日本では、漁業は衰退産業だと思われていますが、世界的にみれば、漁業は成長産業です。ノルウェー、アイスランド、ニュージーランドなど、持続的に漁業収益を伸ばしている先進国は多数存在します。これらの国では、漁業への補助金は、ほとんどありません。「先進国では、漁業のような一次産業は、衰退するのは仕方がない。食料安定供給のために、補助金で保護しなくてはならない」と信じている日本人が多いのですが、実情はまったく違うの