ブックマーク / yashio.hatenablog.com (14)

  • ご奉仕チキンレースで均衡する出世水準 - やしお

    出世する、より上位の管理職に上がって行くというのは、マネジャーとしての力量や適正も必要だけれど、「どこまで奉仕できるか(どこで降りるか)」によるところが大きいのだろう。その奉仕水準でどこまで行くか/どの辺で止まるか均衡するのだと、会社で仕事をしながらつくづく感じるこのごろ。 ポジション上昇の基路線 新人→中堅社員→係長→課長→部長→……とポジションが上がるに従って、受け取る仕事の粒度が大きくなってくる。 重要度や影響度から正確にリスクを抽出して優先順位を決められる。 大きな仕事を適切に分割して相互関係を理解できる。 期日から逆算して分割した仕事にマイルストーンを割り当てられる。 情報を整理して他者に状況を正確に説明できる。 自分にない力量を持つ他者・他部門に割り振れる。アウトソースできる。 といった管理能力がより高度に必要になってくる。 逆に言えば、こうした技術・能力が高い人をより高いポ

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    Utasinai 2024/06/14
  • 差別語の三相を見つめて適切に距離を取る - やしお

    小説を商業出版することになり、これまで自分で書いて見直すだけだったのが、編集者・校正者による校正・校閲のプロセスを初めて体験した。その過程で差別語・差別表現に関しての指摘を受けて、改めて自分の中での判断について少し整理しておきたいと思った。 ある言葉が持つニュートラル、ネガティブ、ポジティブの三相を同時に見ないと、「その言葉をここで使うのが適切か」は判断ができないけれど、三相のうち一面しか見なかったり知らなかったりすると正確に判断ができなかったり、話が噛み合わなくなったりする。 指摘を受けた点1 「発狂」や「狂人」に指摘が入った。 江戸時代に実在したという届出「発狂扱ひ」に言及した箇所に指摘が入った時はどうしようかとも考えて、「精神状態の異常による行動という届け出」と言い換えた。 明治時代に精神障害者が「狂病者」と呼称され、「狂」に否定的・差別的な意味あいが付与されてきた。1970年代に「

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    Utasinai 2024/04/22
  • 「わざわざカミングアウト」と言えて他愛ない人達よ - やしお

    「AAAの與真司郎氏がゲイであることを告白した」ニュースにまつわるあれこれと、個人的なこととかのメモ。 【全文】「AAA」與真司郎さん、ゲイだと公表「自分を愛することが一番」ファンに向けた言葉:東京新聞 TOKYO Web 「わざわざ」カミングアウト Twitter(X)の右派アカウントが「いつも思うんだが、個人的な話だから黙ってればいいのに何でわざわざカミングアウトするかね。」とこのニュースに対して投稿して、1万以上のいいねを集めていた。 これって、「『自分は異性愛者だ』とは『わざわざ』言わないのに変だよね」という、いにしえからある言われ方だけど、どうして「わざわざ」言う必要が(異性愛者とは違って)生じる状況になるのか、という問いを無視しないと言えない話で、あまりに無邪気過ぎるか、ずるいかどっちかだなといつも思う。 リプ欄で「落ち目だから話題作りのためにしているだけ」とか、「ビッグウェー

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    Utasinai 2023/07/30
  • ゼルダとジムとやりがい搾取 - やしお

    ここ最近、テレビゲーム「ゼルダの伝説」の新作「ティアーズ オブ ザ キングダム」(TotK)をずっと遊んでいる。当に楽しい。前作「ブレス オブ ザ ワイルド」(BotW)も当に楽しくて、ずっと新作を心待ちにしていた。これだけ大勢の人から大きな期待を集めて、その期待を越えたものをメーカーが出せるのは心底すごいと思う。 それはそれとして、遊んでるとなんか仕事っぽいなという気持ちに時々なる。 仕事っぽさ タスクがどんどん発生する、それをやり方考えてこなしていく、それで忙しい。やることが多い。 この感覚が、やってると「仕事っぽい」という気持ちになる。 前作BotWも同様だけど、今作TotKはやること、やれること、やりたいことがさらに増えていて(アクションの種類がさらに多く、フィールドがさらに広いので)ますますその気持ちになる。 アクションの種類が増えたことで、操作に難儀することが時々ある。(ウ

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    Utasinai 2023/05/31
  • ワクチン4回目接種の感情メモ - やしお

    この前(11月初旬)新型コロナウイルスワクチンの4回目接種をして思ったことのメモ。 自分が結構、世間の空気感に左右されて行動してるんだな、みたいなことを思ったりした。こういう割り切れない感覚みたいなものは、(割り切れるものは論理の積み上げで後からでも再現しやすい一方)後から振り返ろうとしても分からなくなりがちで、それから「一時的な雰囲気」は後から別の雰囲気が支配的になって変わった時に、記憶もオーバーライトされて分からなくなることがよくある。曖昧な感覚や一時的な雰囲気は、忘れないうちに記録しておいた方がいいかと思って。 雰囲気の差 3回目までは割とあった「みんな打つ」ような雰囲気も、4回目は「えっわざわざ打つんだ」みたいな空気感を個人的には感じた。 職場でも(打つ日と翌日は在宅勤務に切り替えて予定を職場内で共有していたこともあり)「なんで打つの?」と聞かれたりした。 非難や馬鹿にしての意味で

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    Utasinai 2022/11/21
  • 反社カルトが国政に食い込む構造 - やしお

    政治構造への従来の認識と、最近の統一教会関連の報道を合わせると、だいたいこんな感じだろうかと現時点で思うところのメモ。 ゲームのルール 国政は数のゲーム。多数決による。 多数決は「採決の前に議論が尽くされ(修正が施され)、十分な情報が採決者にインプットされていること」が前提・理念で、来はただの「数のゲーム」ではないが、多数派が理念を無視することで無化される。 無化する理屈として「多数決で選ばれた=全員が賛成」というすり替えが多い(与党だから国民の意思そのもの、というような) 多数決で勝つための数(議員数)を増やせる人物/集団(政治家/派閥)が力を持つ。 議員の数を増やすには、選挙で票を集める必要がある。 選挙の票には組織票と浮動票が(仮に分類すると)ある。 世間の感心が低く投票率が低い時、組織票の相対的な割合が高まる。 組織票の「当落の正確なカウントができる」「組織票の倍が彼我の差になる

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    Utasinai 2022/09/13
  • 逮捕にそなえる人生継続計画 - やしお

    実際に逮捕・起訴された人の事例をいろいろ読んでみると、普通に生活・仕事していてもされる時はされるんだと思う。 痴漢冤罪や荷物すり替えで違法薬物の運び屋にされるなどの巻き込まれケースだったり、もともとルール(法律・運用)が曖昧なグレーゾーンが拡大解釈で突然咎められたり、捜査機関の描いた架空のストーリーの登場人物にされたり、人は犯罪の意識が希薄だったり、色々ある。 逮捕・起訴されると人生に大きなダメージを被る。会社なんかで災害を想定してBCP(事業継続計画)を事前に立てたりするけど、それと同じような感じで、万が一逮捕された場合でも「こうなる」をそこそこ認識して「こうする」を事前に決めておければ役に立つかもしれないと思うようになった。 概要 弁護士選び 逮捕~裁判の流れ 逮捕 逮捕後 留置場・拘置所 取調べ・調書 捜索差押 勾留請求・勾留質問 裁判 世論形成・名誉回復 参考事例・参考文献 概要

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    Utasinai 2022/02/09
  • 高卒新人に資産運用を説明する - やしお

    今年入社の高卒の新人と雑談していて「会社の確定拠出年金のこととか何を選ぶのがいいとか分からない」という。集合研修でも制度そのものの解説はあったけどよく分からず、学校でも習わなかったので、漠然としか分からないと言っていた。 それで「自分はこういう理解で、こうしている」を整理して伝えることにしたのでそのメモ。結論としては「長期でインデックス投信」なのだけど、そこに至るバックグラウンド等も含めて説明したいと思った。 前提 そもそも趣味仕事に注力したいので、株や不動産を一生懸命やりたいとは全く思っていない。 自分は普通の会社員で、その道のプロ(銀行員や証券マンやファイナンシャルプランナー)ではない。 大損は絶対に嫌だし、時間を遣いたくない。株の勉強とかもしたくない。 経済システム 現在は「産業資主義」というOSで世の中が運用されている。 このシステムでは「富の総量が時間の経過で増えていく(右肩

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    Utasinai 2021/11/06
    とてもわかり易いです。保存版
  • 外国人を労働力の機械にするシステム - やしお

    NHKスペシャルの『夢をつかみにきたけれど ルポ・外国人労働者150万人時代』(7/13放送)を見て、こんな風に人の人生と労働力を掠め取る仕組みなんだなと思った。留学生・技能実習生の問題は色んなところで散々指摘されて今さらのような気もするけれど、現在進行形の話でもあるし(今年の4月に入管法が改正されて拡大している)、自分が忘れないように整理しておこうと思った。 番組ではベトナム人に絞って事例が紹介されていた。 留学生の20代の青年が、退学して密漁に加わって転覆して死ぬまでの事例を追っていた。 日語を習得して日での学習・労働実績もあれば、帰国後も日系企業に就職できて高収入が望める。またベトナムの平均月収は17,000円だから、仕送りもできる。貧しい村で生まれたその青年は高校卒業後にベトナム国内で働いていたが、20歳で一念発起して日へ留学する。ここで100万円の借金を負う。 日で語学学

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    Utasinai 2019/07/17
  • お金を貸して絶縁するだけの話 - やしお

    お金を貸した友人と絶縁するに至ってしまった。困っていて大変だなと思って貸したのに、最終的に「冷たい」「鬼」と罵られて、こんなの耐えられないと思ってもう返さなくていい、今までありがとうと言って絶縁してしまった。大人になってからこういう形で友人を失ったのは、なんていうか、ずっと大切にしていこうと思っていたのにとか、自分のコントロールする力が結局足りないんだろうかとか、色々考えてつらい。 一旦整理して過去に押し込めてしまうために記録しておく。 経緯 去年の12月に8万円貸してほしいというので貸した。過去にも彼にはお金を貸して、でもまともに返済できないままになったことがあったから、「二度と貸さない」と言い渡していた。ただ今回は自分の都合というより家庭の事情で、彼の母親が借りるという。息子経由で息子の友人から借りるってどうなの、とは思うけれど「それがかなりおかしなことだとは分かっているが、お願いでき

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    Utasinai 2019/05/27
  • オリンピックや医大で見せられる部分最適のこと - やしお

    人が死ぬレベルで暑いけどオリンピックはどうするの、という話で「打ち水をする」「マラソンを早目の時間にやる」といった案はせいぜい部分最適でしかなく(それすら怪しく)、全体最適なら「10月に開催する」(あるいは開催しない……)でしかない。 女性の医者は結婚や出産を機に退職してしまう、という話で「男性の医者を増やすために医大の入試で女性だけ点数を下げる」は医大側の狭い損得から導かれる解でしかなく、全体最適なら「医者や女性の(性差別に基づく)労働環境・構造を改善させる」でしかない。 誰だって真っ先に思いつく全体最適の解が踏みにじられながら、対症療法が「必要悪」「妙案」として当に実行される姿を見せられると、たとえそれが自身の利害に直結する話でなかったとしても精神が疲弊する。誰だって自分たちが生きている世界で「まとも」がきちんと機能するところを見たい。部分最適によってひずみやしわ寄せが発生して苦しむ

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    Utasinai 2018/08/06
  • わかりやすさの技術 - やしお

    社内向けの教育資料を、ど素人でもわかるようにと思いながら作っていて、じゃあ「わかりやすい」って何だろうって考えてた。今まで読んできたいろんなわかりやすかったとそうでないを思い浮かべながら、一般的にここを注意すればわかりやすさを確保できるだろうっていうポイントを一旦まとめておこうと思った。そうしてまとめてみると、に限らず人に何かを伝えること一般に適用される話だなと思った。 読む側の負担を減らす わからない=理解をはばむ障害物がある。この障害物を取り除く/回避する作業が「わかる」ために必要になる。その作業を、作者ではなく読者が負担するとき「わかりにくい」になる。 日社会だと情報の受け手の側がこの「わかる」ための作業を負うことでコミュニケーションを成立させる傾向にある。空気を読むというようなことだ。そのため発信者側が事前に手を尽くしてわかりやすく発信するというのが苦手で、相手が汲み取っ

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    Utasinai 2016/07/08
  • 紛れもなく、この人の思考 - やしお

    父が死んで1年になる。去年のことや父のあれこれを、ぽろぽろ思い出してる。 一人暮らしのアパートで亡くなった。64歳だった。 遺品整理で父の部屋を見たときにノートが何冊もあった。父の端正な字でびっしり埋められていた。そんなものを書いているとはまるで知らなくて、目にした瞬間驚いたというか、身震いするような衝撃だった。なにか途方もない感じがした。 父にはほとんど知人がいなかった。離婚したけれど母が同じ市内にいてときどき連絡をとっていたのと、遠く離れて暮らす僕だけだった。趣味もとりたてて持っているわけではなかった。他人から見れば、ただ意味もなく日々を過ごしていた「独居老人」の「孤独死」ということになるんだろう。 確か2006年の冬ごろ、おばあさんの孤独死のニュースを報道ステーションで扱っていたことがあった。わざわざおばあさんの自宅前でリポートして、おばあさんが友人趣味もなくただタバコを吸うのを楽

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    Utasinai 2013/12/26
  • この眼前の、絶望的な40年の差 - やしお

    会社に入ってすごくおもしろかったのは、まったく同じような環境で、同じような数十年を過ごしてきた二人に、取り返しのつかないほどの差がついてる、それを残酷なくらいはっきり目の前で見せてくれる、ってことだよ。 学生のころはせいぜい3、4年ほどの差を目撃するだけだった。それでも「入学したころは同じくらいの成績だったのに、ずいぶん差がついちゃったな」っていう驚きや慨嘆があった。 なのに社会に出たとたん、3、40年で積み重なった差がいきなり目の前にあるんだ! ほんとうに、途方もない気持ちになるよ。 日々その身に降りかかる出来ごとはさして違いもないのに、一人はそこから細かな疑問や発見を一つ一つ丁寧に積み上げていって、もう一人はそれを見過ごして、それか他人にゆだねていった末に、この唖然とするような差があらわになってしまうんだ。 今ぼくには、はっきり思い描いているおじさんが二人いる。どちらも同じ職場で一緒に

    この眼前の、絶望的な40年の差 - やしお
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    Utasinai 2012/11/18
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