ミラノ・ファッションウィークでは素敵なサイクリングショーツがたくさん登場したけれど、「ステラ マッカートニー」のオープニングはもっと大胆かつセクシーなサイクリングスーツだった。精緻なフローラルプリントを施し、胸もとを深くえぐったスタイル。「自分を信じて、若さを失わず、今を精いっぱい生きるということね」とステラは言う。 その後に続いたのは、クルーネックが慎ましいパステルカラーのテニスドレスや、Tシャツにレースのパンツを合わせたランジェリー感覚の軽やかなツーピース。ニットでローライズのジョガーパンツには美しいレースのトップス。ベージュのロングフーディは、袖のジッパーを開けると生まれるフリル感が素敵だった。今回のテーマは「アスレジャー」かと問うと、ステラは「私の前で二度とその言葉を使わないで。なんでもくっつければいいってものじゃない」と言って微笑んだ。 もちろん「くっつけ」ただけではない。ネグリ
体育館のように広い会場の中央に線で描かれた長方形。その中に建てられたストライプの小屋。パステルカラーのヤシの木。4人のライフガードがキャットウォークを見下ろしている。毎回手の込んだ舞台セットで観客を夢幻世界に引き込む「トム ブラウン」が、今シーズン用意してくれたのは開放的なビーチだった。 最初に登場したのは、トリコロールが愛らしいビキニ(錨やヨットのモチーフを貼りつけた透け感のある全身インナーは襟とネクタイつき)。羽が生えたようなフェザーのアンサンブルはまるでウミネコの化身。お得意のフランネルのスーツは、スパンコールがまばゆいゴールドの人魚みたいなドレスとボレロに生まれ変わっていた。 貝殻のビスチェと海の泡のようなチュールは、ドレスの裾と指先から床まで長く伸びていて実に素敵。ヒトデやクジラ、アイスクリームといった海辺のモチーフもたくさんあった。ラグジュアリーな生地を大胆に切り刻んでは縫い合
「ソニア・リキエル」のショー前日、パリ左岸のサン=ジェルマン地区に彼女の名を冠した通りが誕生した。ファッションデザイナーの名前が地名になるのはパリでは初めてのこと。それだけソニア・リキエルがパリっ子の生活と文化に深く根ざした存在である証だ。「一本の道は街のキャットウォーク。すべてはストリートから始まった」。娘のナタリー・リキエルはセレモニーでそう語っていた。 フランス女性の解放を常に目指し、女性が日常を自由に生きるための服づくりに心血を注いできた故ソニア・リキエル。今年8月には路上でのセクシュアル・ハラスメントを罰する法律が制定され、9月には「ソニア・リキエル通り」が誕生した。逝去から2年が経ち、国がようやく彼女に追いついた。ストリートでショーを行うのにこれほど完ぺきなタイミングはない。 今回のコレクションは「日常の叙情性へのオマージュ」だと、デザイナーのジュリー・ドゥ・リブランは言った。
5年にわたって口を閉ざし、瞑想にふけってきた川久保玲が、ついに動き出した。過去10シーズンはひたすら超コンセプチュアルなコレクションを発表し、人体のプロポーションを否定して服をひたすら膨らませてきた75歳の川久保だが、今回は一転して人体のシルエットに寄り添う服を提案してきた(実を言えば事前にEメールで「ファッションの限界に挑戦してきた過去10シーズンの試みをやめる」と伝えてきていた)。新しい展開だ。 会場は、高等美術学校ボザールの巨大なホールに設営された箱型でコンクリート製の構造物。中に入ると、なにやら不穏な気配がただよう。オープニングの3着は黒の素敵なスーツやコートだったが、どれも腹部を切り裂かれ、中から詰め物のような何かが飛び出していた。妊婦のイメージだろうか。これから新しい命が生まれるのか、それとも中絶や流産で終わるのか。 この腹切りルックは終盤にも再び登場し、フィナーレではフォーマ
グラン・パレの壮麗なギャラリーに、山本耀司は建築現場の足場を組んで「ヨウジ ヤマモト」のコレクションを披露した。この足場、何かを建てるため? それとも壊すため? 暗闇に一筋、まっすぐに伸びたキャットウォークをなぞる山本耀司の音楽が、その答えを暗示していた。 今回のテーマは「アンチ人種差別、アンチ温暖化、アンチ・ジェンダーレス」だとか。今シーズンはあちこちで「ジェンダーの壁を越える」ファッションがもてはやされているけれど、大ベテランの山本はそんな時代の風潮もどこ吹く風。メンズもウィメンズも「ビューティフル」であればいい。そんな自分の哲学を貫く。 最初に登場したのは、ゆったりとしてエレガントな漆黒のドレスたち。ギリシャ神話の女神のように、たっぷりと流れるドレープはため息が出るほど美しい、ウエストが見えるほどショート丈のジャケットに合わせたのはサロンスカート。ワンショルダーのドレスも非の打ち所が
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It was telling that Hedi Slimane’s first press release for his Celine takeover emphasized this fact: “The entire wardrobe worn by the male models is unisex, and therefore will also be available for women.” On a night which was fraught with the separation anxiety suffered by the clan of professional women who have relied on Phoebe Philo’s instincts for Celine, that postshow information was pause fo
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