クリックして拡大する避難して無事だった秋山勝子さん(左)と伊藤博夫さん。高台の下にあった水浜集落は壊滅した =1日午後5時35分、石巻市雄勝町水浜 「千年に1度」と言われる東日本大震災の大津波は被災地に壊滅的な被害をもたらした。そのなかで、昔から何度も津波を経験してきた宮城県石巻市雄勝町の水浜集落は、約130戸の集落がほぼ壊滅したが、住民は380人中、死者1人、行方不明者8人で全体の2%程度。背景には、地域で受け継がれてきた知恵や防災意識の高さがあった。 水浜集落は、津波を増幅させるリアス式の雄勝湾の入り口にあたる。昭和8年の昭和三陸津波や、35年のチリ地震津波を経験し、昨年2月のチリ地震でも約70センチの津波が押し寄せた。集落近くの市の支所前には、「地震があったら津波の用心」と刻まれた石碑があった。石碑は今回の津波で流されてしまったが、長年言い伝えられてきたその言葉を胸に刻んでいる。 主