2009年7月22日の皆既日食につづいて,2012年5月21日には金環日食を日本で見ることができる.それも,九州地方南部,四国地方南部,近畿地方南部,中部地方南部,関東地方など広範囲にわたって金環食を見られるので,自宅にいながらにして眺められるという人も多いに違いない. もし部分食しか見えない地域でもがっかりすることはない.金環食は,月が遠くにあるために太陽全体を覆い隠すことができず,太陽がリング状に残って見える現象であり,皆既食と違って周囲が暗闇になることはないからだ.それでも,多くの地域で最大食分は0.9以上であり,気温や明るさの変化に気づくこともあるだろう.動物がそわそわと騒ぎ出す様子も見られるかもしれない. しかし,それでも太陽光は十分に強烈なので,日食グラスや投影板,ピンホール現象などを利用して安全に観察していただきたい.また,太陽高度が低いのでいろいろな地上物と一緒に写真をとろ