ブックマーク / kasasora.hatenablog.com (2)

  • 正義アディクション - 傘をひらいて、空を

    みんな正義が好き、と私は言う。とくに今は、大勢の人が正義と善を成したいと思ってるみたいに見える。一ヶ月後でなく、半年後でなく、今すぐ何かしたい、私もそう思うことがあるの、どうしてかな。 コントロールしたいからだねと彼はこたえる。状況は制御可能であると、自分の関与が有効であると思いたい。だから僕らはストーリィをつくる。美しい日人たちがその美しさをいかんなく発揮し、善意が悲劇を救い、自分がその一員であるというストーリィ。 私は彼を見る。もちろんそれは事実だ、と彼は続ける。でもほんの一部、そのさらに一側面だ。色見から真紅だけを取りだして画面を塗りつぶしてこれが色というものだと宣言するようなおこないだね。 ときにはそれも必要なんじゃないかなと私は言う。不安でいたたまれないときにひとつの色だけを取りだして視界を塗りつぶすのは、必要な非常手段といえるんじゃないかな。 麻酔薬は麻酔医しか使えないから

    正義アディクション - 傘をひらいて、空を
    W_Katsuragi
    W_Katsuragi 2011/03/29
    海自教育隊にいた頃、「自分に酔え」と言われたことがあったのを思い出した。
  • 作文が終わらない - 傘をひらいて、空を

    七つの女の子と話をしていたら、作文が終わらなくて困っているという。彼女は小さい子にしては要領よくしゃべるんだけれども、なにしろ七歳は七歳なので、話がくどい。しかもしょっちゅう脱線する。最後まで聞いて推測するに、どうやら何を書いて何を省くかがわからないので作文が長くなっている、ということらしかった。 学校の授業の作文で七五三の話を書くことにして、けれども原稿用紙六枚書いてもまだ、当日の朝ごはんが終わらない。メニューとその匂い、湯気のようす、パンの焼き加減の好みに関する主張で六枚目が終わってしまった。今までのぶんを捨てて書き直すべきか、という意味のことを、彼女は言う。読ませて頂戴と言うと、ずいぶんとはずかしがってから、結局読ませてくれた。 八枚切りのパンを焦げるぎりぎりのところまで熱してからバターを塗り、しみこませてべる、ジャムはパンに塗るべきではない、ヨーグルトにいっぱい入れたほうがいい、

    作文が終わらない - 傘をひらいて、空を
    W_Katsuragi
    W_Katsuragi 2010/06/01
    朝ごはんの描写だけで2400字以上書けるのはむしろ才能だと思います。/混ざったところと混ざらないところを意図的に作って食べるという好みには親近感が…。
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