日本対イランのアジアカップ準決勝試合直後に、イビチャ・オシムのグラーツの自宅に電話をした。するとアシマ夫人に、少し休みたいから3時間後にかけ直して欲しいと言われた。 「決勝は日本対カタールになるという、大会前の私の予想が当たりそうですね(カタール対UAEの準決勝は翌日におこなわれた)」と、夫人の声も弾んでいる。 「ええ、覚えています。私はカタールがここまで勝ちあがるとは思っていませんでした。後ほどまた電話します」と応えていったん通話を切った。 スタジアムからホテルに戻りかけ直すと、「今、起きたばかりなのであと1時間後に」と言われ、さらに1時間後にようやくオシムが電話口に現われたのだった。 日本はアジアにおけるドイツやブラジルに。 ――いい試合でしたね。 「ああ、素晴らしかった。ちょっと驚いた。日本の3点目が入るのを待っているところだ」 ――そうですか。今、試合を見ているのですね。 「生でも