≪中国の西側への復讐始まる≫ 文明史家トインビーはかつて、19世紀から20世紀にかけての中国は西欧や日本などの列強に苛(いじ)められてきたから、やがてその復讐(ふくしゅう)が始まり、21世紀の世界はその「シナ問題」に忙殺されるようになるだろう、と述べたことがある。 最近経済大国となった中国が20年以上にわたって毎年2桁(けた)台の軍備拡張を続け、空母の建造を含む外洋海軍を建設しようとしたり、また、南シナ海や東シナ海で近隣諸国と衝突や対立を重ねたりしているのを見ると、これらは、その「復讐」のほんのとばくちに過ぎず、やがて西太平洋の覇権を求めたり、あるいは、それ以上の軍事大国になったりしようとしているかに思われる。つまり、トインビーの予言は当たったのである。 むろん、現在はまだ、アメリカが超軍事大国であって、その覇権に刃向かうのは難しいが、中国人は息の長い民族だから、金融恐慌をきっかけにして、