厚生労働省は今秋、東京都新宿区戸山の旧陸軍軍医学校跡地で初の発掘調査を行うことを決めた。同跡地を巡っては、軍医学校の元看護師が06年、終戦時に3カ所で人体標本を埋めたと同省などに証言。軍医学校防疫研究室は中国で人体実験をしたとされる「731部隊」を統括しており、市民団体「軍医学校跡地で発見された人骨問題を究明する会」(代表、常石敬一・神奈川大教授)が「人体実験の犠牲者の可能性もある」として調査を申し入れていた。 発掘調査をするのは、元看護師が証言した3カ所のうちの1カ所で、10月までに解体される公務員住宅跡地や隣接の駐車場など約3000平方メートル。調査方法は厚労省が新宿区などと調整している。 跡地内では89年にも、国立予防衛生研究所(現国立感染症研究所)の建設工事中に地下約2メートルから人骨62体が見つかった。ここも元看護師が証言した場所だった。厚労省は01年、軍医学校関係者ら約370人