東芝グループ企業が運営する大手事業所(大分市)。マイコンなどを手がけているが、売却検討と報じられている。 しばしば、「日本の半導体メーカーはなぜ凋落(ちょうらく)したのか」「復権は可能か」と聞かれる。 残念ながら「日本半導体メーカーの今を見る限り、復権はほぼ不可能」と考えざるを得ない。 なぜか。「事業戦略が迷走し、おごりがあった上に、国が無策だったため」だ。 21世紀初頭はインターネットと携帯電話の普及期だった。ITと通信の融合が進み、半導体メーカーにとっても大きな商機があった。 しかし、今世紀冒頭の20年間を総括すると、結果は惨敗。 国内の生産拠点のほとんどが閉鎖されたため、日本で半導体を大量に作ることはもう難しい。 大規模生産工場がほぼなくなったのだから、国内の生産能力を当てにすることはもうできない。 世界標準化の挫折 「半導体が足りない。日本ではもう半導体を作れないのか」とも聞かれる