「ネットカフェ難民」という言葉が初めて使われたのは、2007年1月に放映された「NNNドキュメント」(日本テレビ)だった。たまたま深夜にこの番組を観た私は、暗澹たる気持ちを抱えたまま、布団にもぐりこんだことを鮮明に覚えている。 番組では、10代、20代の男女が昼は日雇い派遣で働き、夜はネットカフェの椅子で眠りながら、100円200円を必死で切り詰めて生活している姿が映し出されていた。ある18歳の女の子の手帳には、「強くなる」「責任感を持つ」の言葉の後に「夜ご飯食べない」という文字が書かれていた。 どうしてそういう生活に陥ってしまったのか。誰も頼る人はいなかったのか。這い上がるチャンスはどこにもないのか──「夜ご飯食べない」という言葉が放つ切実さに衝撃を受け、疑問が次から次へとわいた。以降気がつけば、私は貧困やワーキングプアを取り上げたドキュメンタリーをチェックするようになっていた。 この手
貸金業規正法の改正案がさらに手直しされ、特例措置の高金利を廃止して、消費者信用団体生命保険を借り手にかけることも禁じる方針が与党で決まった。前者については、当ブログでも何度か書いたので、ここでは後者について考えてみよう。 この保険は、債務者の生命保険でサラ金を返済させるもので、「人の命を担保にとるのは非人道的だ」という批判を浴びて、業界では自粛していた。今回の規制では、これを法律でも禁止するようだ。これは一見、債務者を自殺に追い込んで借金を取り立てるサラ金の悪逆非道な行為を防止する人道的な規制のようにみえる。 しかし問題はまず、そういうことが起こっているのかどうかということだ。金融庁の調査によれば、この保険の総受取件数のうち、自殺を原因とする受取件数は9.4%。これは死亡原因(20〜69歳)のうち自殺の占める率9.04%とほぼ同じである。つまり、この保険に入ることによって自殺が増えると
秋葉原の事件について平川くんが書いている。 http://plaza.rakuten.co.jp/hirakawadesu/ 彼のオフィスは秋葉原だから、まさに目と鼻の先で起きた事件である。 平川くんはこの事件については「よくわからない」という節度を保とうとしている。 確からしいことは、「かれ」は俺たちがまだ見出せていないような「必然」によって社会との繋がりから切断された存在になっていたということだけである。 その「必然」が見えなければこの事件は被害者と加害者というような明確な輪郭を持ってはいても、加害者の中に広がっていった闇については何もわからないままである。 もっと、言うなら、その闇の意味を見出せないままに書かれた「再発防止」の処方は、その闇を隠蔽し、広げるだけだと、俺は思う。 私は最後の部分が平川くんのとくに言いたいことだろうと思う。 無差別に人を殺すことを決意した人間の中にある、私
ちょっと普通とは違う視点も半分ぐらい交えて、例の事件の雑感を7つばかり語ってみたい。 (これで一区切りつけて、起業ブログに復帰したいな) 1.あまりにも非道。あまりにも凄惨。誰でも良かった? 今回の事件は、あまりにも非道で、あまりにも凄惨だ。どうしたら人間がここまで凶悪になれるのだろう。車で撥ねて、そしてナイフで刺す。ほとんどは無防備な人間ばかり。それも数人の話ではなく10人以上の死傷者を出している。 絶対に許されることじゃないし「誰でも良かった」という動機で殺された方や、遺族の方の無念さは察するに余りある。今回の事件で、犠牲になられた方のご冥福を心よりお祈りする。 2.こいつ、フツーにどこにでもいそうなヤツなんだ http://www11.atwiki.jp/akb_080608/pages/1.html:Title 上記のまとめwikiで6月3日から犯行当日6月8日までの、ケータイ掲示
14:04(注:修正版が1/18の日記にあります。分析結果についてはそちらを見てください。) 「犯罪の九割は失業率で説明がつく」http://www.mii.kurume-u.ac.jp/~tadasu/essay_80114.htmlはてなブックマークで大人気 http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.mii.kurume-u.ac.jp/~tadasu/essay_80114.html失業率っていうマクロ変数を使った回帰分析で、決定係数が0.8を超える分析なんて見たことないと驚嘆して、ためしてみました。確かにすばらしい結果が出る。理由を探るために、もうちょっと詳しくデータを見てみました。これが、犯罪種別に回帰分析を行った結果です。犯罪数ってのは、全体に占めるパーセンテージ。相関係数がマイナスの結果がいくつかあるのが驚きですが、相関係数を眺めるときは、
【1月18日追記あり。本エントリ最後をご参照】 例の松尾先生のところのアレですが、ブクマコメントにあるように僕も国際比較を見てみたくなったので急遽でっちあげてみました。実働5時間くらい*1の超大作です【そんなにヒマとはsvnseeds】。 とりあえず米国、英国*2、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、日本のG7諸国を調査対象としました。 失業率と犯罪発生件数との相関を見るのはやはりちょっと気持悪いので、ここでは失業率と犯罪率(人口10万人あたりの犯罪発生件数)でみています。 データを探すのが面倒だったので、主に1980年から2006年(国によっては2001年もしくは2005年まで)のデータを用いています。 また、これも面倒なのでt値とp値は計算してません。わはは。【計算してみました。1月18日追記参照】 で、この手抜きサーベイで得られた知見は; 日本の失業率と犯罪率は非常に高い相関を示して
149 名前:名無しさん@引く手あまた 投稿日:2008/06/10(火) 17:11:22 ID:E9YjVpzy0 欧米の常識 vs 日本の非常識 1)派遣労働者が受け取る賃金は必ず正規以上と法定 vs 正規の半分以下 2)派遣労働が2年超だと直接雇用義務 vs 期限撤廃して無期限派遣 3)派遣のピンハネ率は10%未満と法定 vs ピンハネ率は自由、平均40%以上 4)企業が支払う総額はガラス張り vs けっして派遣労働者に教えないブラックボックス 5)派遣労働者の巨大全国組合がある vs 何も無い 6)派遣労働は事業拡大時などにのみ使うと法定 vs 正社員をクビにしてどんどん派遣に置き換えてよい トヨタ工場は日本が1000円でアメリカが3250円。 ちなみにアメリカトヨタは3000円で黒人ライン工が働きたくないと ただこねて3250円になった。 黒人ライン工はま
2070年01月01日00:00 管賀江留郎について、あるいは私は考えない。 少年犯罪データベースの主宰をやっている者が、kangaeru2001だの管賀江留郎(かんが えるろう)だの、恥ずかしくもいかがわしくちょっぴりおセンチな名前を名乗っているのは、わたくしは考えているぞとか、あるいはみなさん考えましょうとか云いたいわけではないのです。その逆です。 そもそものはじまりは<少年犯罪を考える>というすばらしいサイトがある日突然なくなってしまって、どうしたのだろうと思っていたら、データをまるまる違う場所にアップしたミラーサイトをはじめた方がいまして、サイト閉鎖の経緯などを訊こうとメールを出したのですが、その方もたまたまデータを保存していただけで理由は知らず、やりとりをしているうちになんでかなりゆきで私がそのミラーサイトを引き継ぐことになってしまったのでした。 つまり、ひとさまのサイトを無断で
松尾匡のページ 08年1月14日 犯罪の九割は失業率で説明がつく (追記:1月16日, 再追記:1月17日) 続報あり。以下の分析結果には「誤差の系列相関」という問題がありました。続報ではその解決に取り組んでいます。 再追記:08年1月17日 下の方の昨日書いた追記で、管賀江留郎さんからいただいた批判のエントリーの中で言われていた、「警察がデータを操作したため相関する」という「説」について、管賀さんご自身の説であるように表現した一文がありました。私自身、本気で言われていることかどうかは疑わしいと思っていましたが、ネタと断定することもできず、ああいう表現になりました。 このたび管賀さんとのやりとりの中で、これが管賀さんご自身信じておられない、いわゆる「釣り」のネタであることが明らかになりましたので、当該の表現を削除して訂正します。管賀さんはこれがひとつの積極的主張として一人歩
秋葉原の通り魔事件のおかげで、非正規雇用の待遇改善を求める声が出てきているようだし、その声は今後ますます高まっていく気がする。 しかし、ここでもし、非正規雇用の待遇改善「だけ」を規制で強制し、正規雇用の問題点(解雇規制、年功序列、終身雇用、新卒採用など)はそのまま放置、なんていうことになったら、日本は本当に終わると思う。 非正規雇用の規制が強くなれば、ただでさえ原料高で余裕のない多くの中小企業は、非正規雇用をあきらめざるを得ない。すると会社は回らなくなり、バタバタ倒産する。 大企業も国内では人件費がかさむので、海外に拠点を移す流れが強まるだろう。そうなれば、大企業はたいてい、その下にたくさんの中小企業がぶら下がっているから、それらがどんどん減らされる。 こうなると、雇用は激減する。まず、規制の話が浮上しはじめた頃に、非正規雇用がみるみるうちに「消滅」するだろう。いま非正規雇用の社員(契約社
boing boing からですが、第二次世界大戦中の1944年に米国のOSS(戦略諜報局)が作成した「サボタージュ・マニュアル」なるものが存在しているのだそうです。当然敵地での話ですが(自国でやったら大変)、仕事の進みを遅らせるように人々をトレーニングするためのマニュアルとのこと。その内容が掲載されているのですが、なかなか面白いです: ■ Sabotage manual from 1944 advises acting like an average 2008 manager (boing boing) 意訳込みでてきとーに訳してみると、こんな感じ: 何事をするにも「通常のルート」を通して行うように主張せよ。決断を早めるためのショートカットを認めるな。 「スピーチ」を行え。できる限り頻繁に、長い話をすること。長い逸話や自分の経験を持ちだして、主張のポイントを解説せよ。「愛国的」な主張をち
静岡中央署は12日、死亡した母親の指や耳たぶを切断したとして死体損壊容疑で、静岡市葵区川合、無職、小川明郎容疑者(45)を逮捕した。 同容疑者は調べに「2年前に死んだ父親は形見が何もないので、せめて母親は体の一部でも形見にしようと思った」と供述しているという。 調べでは、小川容疑者は12日午前10時ごろ、自宅マンションの一室で、病気だった同居の母、静子さん(72)が死亡しているのを発見。同10時半ごろ、自宅にあったはさみで静子さんの左右の親指や小指、耳たぶなどを切断した疑い。切断した指などは紙の箱に入れて保管していたという。 同容疑者は静子さんと2人暮らし。静子さんの遺体に、これ以外の外傷はなかったという。同署は司法解剖して死因を調べる。
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