現在の無線LANの標準規格には,特定のデータを優先的に送るための仕組みがありません。しかし2004年11月,無線LANにQoS制御機能を付加する新規格「IEEE 802.11e」が標準化される予定です。この仕組みを使えば,音声や映像などのデータが扱いやすくなります。 無線LANの普及とともに,音声や映像のストリーミングを扱いたいというニーズが高まっています。例えば無線LAN機能を内蔵した携帯電話型のIP電話端末や,無線LANで映像を送れるAV機器などが登場してきました。 図1 無線LANで音声を扱うにはQoSの仕組みが必要 CSMA/CAでは各端末が平等に扱われる。大きなデータをダウンロードするユーザーがいると,音声や映像のデータが途切れたりしてしまう。 しかし,IEEE 802.11a,b,gといった無線LANの代表的な標準規格では,特定のパケットを優先して送る仕組みがありません。音声を