2018年の夏は異常に暑かった。そして気が遠くなるほど長かった。7月の頭からの暑さはとどまることなく、9月まで完走した夏はさまざまな異変を起こしたに違いない。我が家でもあった。「惨劇」といっても大げさではない事件が――。 2017年夏に認知症の診断を受けた前後、1年近くの闘いを経て、父親が車の運転をやめることに成功したライターの田中さん(運転をやめさせるまでの苦悩についてはこちらの記事参照)。大きな事故を起こす前に運転をやめてくれたことに安どしたのもつかの間、約7か月後に衝撃的な出来事が起きた。 気付けば自宅が血の海に 2018年7月末のこと。運転をやめて以来、よく歩くようになっていた父が、この日も、午前に2回、違うスーパーに出かけ、さらにまた午後に「暑いからやめて」と止めたのに出かけてしまった。父は介護1レベルの認知症。週に2回半日のデイサービスに行きながら、自分のことは自分でする生活を