何でもないことの幸せ 日本記号学会第28回大会の実行委員長を任されたことがきっかけで、この数週間「BL」や「腐女子」に関する本をいくつか読み、また大会広報のチラシとプログラムにマンガを書いてくれたIAMASの学生・長谷川直子さんとこの話題をめぐって話しあった。以下の小論はそうした過程で考えたことをまとめたものである。 | News | E-text | My work | Office | Contact | Exit | 「BL(ボーイズラブ)」と総称される小説やマンガが、ここ約十年くらいの間、女性読者向け書籍売場においてめざましい快進撃を続けてきた。今やちょっと大きな書店に行くと、長い書架の二面あるいはそれ以上がすべてこのジャンルの読み物で満たされており、すこぶる壮観である。BLというのは、様々なシチュエーションで演じられる「男性」どうしの「恋愛」の物語である。「男性」と括弧に入れた