1.当ブログがすっかり新作映画レビューに固まってしまったので、今回は趣向を変えて。タイトルは蓮實重彦「あなたに映画を愛しているなんていわせない」のパクリだし青臭いよなあと思うけど、今日の話題はこの言葉以外でたぶん表現できないので。ネタにしたいのは古本屋で買った『本多猪四郎 『ゴジラ』とわが映画人生』という本。1900円。 2.本多猪四郎の「映画術」みたいなもの。ヒッチコック/トリュフォーは、若い映画ファンや観客、研究者に向けて語り下ろされたインタビュー集だったけれど、こちらは本多猪四郎が「次の映画」を撮る自分のために今までの映画術をまとめてみたという印象。インタビュアーが平板に本多猪四郎のフィルモグラフィーをなぞっているだけなので、良く知られているエピソード以外は「本多猪四郎はあの時何を考えてどのように工夫して映画を作ったか」という読者の興味は結局満たされない。ただ、現場に立つ一映画監督